パチンコ店「ホールスタッフが突如失踪⁉」要領の悪い従業員に悩まされた店長時代の思い出エピソード

 何をやっても、何をやらせても不器用で要領の悪い人はどこにでもいると思うが、今回はそれを絵に描いたようなホールスタッフの話だ。 

呼び出しランプが同時に2個点いただけでもパニックに…

 総設置台数が少ないとはいえ、最小限度の人数で回していた当時のお店。スタッフの食事休憩中は、ホールスタッフが1人、2人になることも珍しくなかったのだが、要領の悪いスタッフ・A君は呼び出しランプが同時に2個点いただけでもパニックになるようなスタッフだった。

 そんなA君が、新台入替作業中に忽然と姿をくらます事件が発生したのだ。

 その晩、入替作業に参加したスタッフは私を含めて6人。撤去遊技機をすべて取り外す人、ポップ関係を交換する人……といった感じで、それぞれがキッチリと役割分担を決めて作業に取りかかっていたのだが、その日は入替台数が少なかったため、私はサンドから売上金を回収する作業に回った。 

 そして事務所で売上金額の確認作業が終わり、ホールコンピューターの設定を変更していた頃、閉店から作業を開始して2時間ほどが経った夜中の1時くらいだっただろうか。新台遊技機の取り付け作業を担当していたスタッフB君からある報告があったのだ。 

「撤去台を倉庫に運んでいたA君の姿が見えません。とっくに運び終わっているはずの時間ですが、半分ほどしか運ばれていないんです!」 

 嫌な予感しかしなかったが、思わず「えっ、何で!?」と絶句した私はB君と手分けしてA君を探すことに。

スタッフからも大ブーイングだったA君

 倉庫に足を運ぶと彼は呆気なく見つかったのだが、そこには苦しそうに「うーん、うーん」とうめき声を出しながら作業をするA君の姿が……。

 「そこで何やってんの?」と尋ねると、A君は「流通戻しをしているのですが、この台だけ何故か鍵が回らなくて……」と答えた。※流通戻し(自店舗専用に設定した台鍵を、納品時状態の鍵に戻す作業)

 それを聞いた瞬間、私は固まった。本来であれば、流通戻しは1分もあれば終わる作業だ。遊技機の鍵回りに何らかの不具合があったようだが、自分でできないのであれば素直に申し出れば済む話である。特殊な器具は必要だったが、それさえあればすぐに作業は済んだはず。

 その作業に四苦八苦し、2時間近い時間を無駄にしているのだから、呆れてものも言えないとはこのことだろう。当然、その分だけ作業終了時間が遅れるのだから、必死でやっている他のスタッフからも大ブーイングだった。

 しかも、こういった些細なミスから、とんでもないトラブルに発展したこともあった。A君には何度疲れさせられ悩まされたことか。

 自店を退職した後は、家業の造園業を継ぐ予定だと話していたA君。あんなに不器用で、はたして造園業が務まるのだろうか。いまとなっては知る由もないが、たまに思い出すたびになぜか心配になってくる。そんな男だった。

(文=オーハナB)
<著者プロフィール>
 元ホール店員、店長経験者。パチンコ店の裏側で起きた出来事や、人間関係を題材にしたコラムを担当している。過去に話題になった業界ネタなど、時代背景を感じる記事も作成中。自身の思い入れのあるシリーズの動向にも熱い視線を注ぐ。

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