パチンコ店「スーツ姿の鉄火場」にした3回権利の名機‼

「サラリーマンの聖地」を鉄火場にした名機

 働く男のサラリーマンですが、息抜きに時間調整などに利用されるのがパチンコ店です。これは昔も今も変わりなしです。特にこの夏の暑い時期では、涼むには好都合のオアシスです。

 平成初期には都内の主要ターミナル駅前に、パチンコ店が平均して10軒くらいは存在していました。現在はどうでしょうか? 残念ながら、その半分以下までに落ち込んでしまっています。

 そんな中で「サラリーマンの聖地」の駅前にあったパチンコ店(T店)は、その名の通りにスーツ姿の方々が連日集まる優良店でした。日中も仕事帰りも「スーツ姿の鉄火場」でした。

 このT店は、全体で700台ほどの多層階パチンコ店でした。私の記憶では地下に遊技場はなく、1階から3階まであったと思います。3階はパチスロだった記憶でしたが、目玉は1階のパチンココーナーです。道路から入ってすぐ目立つパチンココーナーは、その全てが「3回権利モノ」でした。

希少の3回権利モノも設置していました

 T店の3回権利モノコーナーの営業形態は、「1回交換」一択。その他のデジパチコーナーではラッキーナンバー制でした。デジパチコーナーでは開店から1時間で大当りすれば「無制限ナンバー」を獲得できましたが、3回権利コーナーだけは終日「1回交換」を貫いていたのです。それだけに、運用は保証できるものでした。

 この3回権利モノコーナーでは、当時の人気機種だった『ミルキーバー』(ニューギン)、『ギンギラパラダイス』(三洋物産)を大量に導入していました。この2機種はいつも満台をキープしていましたが…。

 希少の3回権利モノも設置していました。『マーメイドSP』(三共)という機種です。同規模の駅前パチンコ店でも、T店ぐらいにしか導入されていませんでした。1995年に登場しました。

 同機の情報ですが、大当り確率は300分の1で、2回目と3回目の確率は30分の1です。3回権利ですので、出玉は約6,000発です。大当りしてV入賞して権利が獲得できます。

 デジタル画面は何と4分割されています。したがって大当りとなる条件は、7が3画面以上揃うこと、または4つの画面に魚絵柄が揃うことです。2つ絵柄が揃った時点でリーチになり、3つ目の絵柄近くでスローな動きをします。ほとんどノーマルリーチに近い動きのみで、とても単純です。

 なぜ『マーメイドSP』が人気だったのでしょうか。希少な機種だったこともあるかもしれませんが、その他にはリーチが他の権利モノよりも単純だったという事もあります。単純を追求したいユーザーが同機に流れた可能性もあるでしょう。

 先程も記したように、同機は「ほぼノーマルリーチ」のみでした。画面も4分割で、それが珍しかったという理由があったかもしれないです。

 T店の目玉であった「3回権利モノコーナー」も10年ぐらい続きましたが、いつの頃からかCR機コーナーとなり、一昨年同店は閉店しました。現在は更地になってしまっています。某著名スロライターさんが、T店でパチスロを打ち始めたお店だったみたいで、SNSで名残惜しいことを述べられていました。

「3回権利モノコーナー」のメリットとして、1回交換で出玉が多く、上手く時間調整に使えたということがあります。デメリットは、デジパチよりも投資スピードが比較的に早かったことです。とはいえ、ファストフード店みたいに客回転率は良かった印象。あの頃に戻りたいものです。

(文=四本コーヒー店.)
<筆者プロフィール>
 パチンコ好きが高じて異業種から転職し、長年パチンコ店の一般正社員としてホール現場を見てきた。単にパチンコを打つだけでなく、新規グランドオープンなどの市場調査やレトロ台探訪、のめり込み防止のための依存症考察など様々な遊技関連を日夜追っかけている変態パチンカー。そのため、大御所ライターや遊技機メーカーや周辺機器の幹部、他ホール法人の幹部などとの交流がある。ちなみに「四本」の読み仮名は(よんほん)ではなく(よつもと)である。

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