パチンコ名機の「ヒット要素を組み込み」人気を二分! 愛くるしいCR権利モノ名作

単調なパチンコ機から脱するゲーム性が続々と登場

 1995年のパチンコ分野には、権利モノでは史上最大のヒット作となった機種が発表されました。いわゆる「海シリーズ」の原型と言える存在。それは『CRギンギラパラダイス(ギンパラ)』(三洋物産)です。

 以前紹介した『エキサイトレディー2』(ニューギン)も同年の発表でしたが、ノーマル現金機の単調なパチンコ機からようやく脱するゲーム性が色々と出てきました。

 そして『ギンパラ』みたいに通常の確変デジパチより確率は高く、スタートはスルー式のゲーム性のパチンコ機「CR権利モノ」が徐々に登場してくるのです。

 その『ギンパラ』と人気が二分した「CR権利モノ」で、隠れた人気機種が翌年の1996年に発表された『CR花のもぐら組』(大一商会)でした。

『ギンパラ』の人気要素を上手に組み込み人気を二分!

 大当り確率ですが、同機は3段階設定でした。設定1で257分の1、設定2で277分の1、設定3で307分の1でした。『ギンパラ』と同じゲーム性で、確変突入率は2分の1、1回ループの権利モノです。

『ギンパラ』の大当り有効ラインは5ラインだったと思いますが、『もぐら組』は2ラインです。その機種名から、土の中からもぐらが出てくるシチュエーションです。

 リーチは主に3種類ほどありました。「ノーマルリーチ」の他に、「噴水リーチ」と「夕焼けリーチ」です。「夕焼けリーチ」は『ギンパラ』でいうところの「魚群演出」に近いぐらいの激アツ演出でした。

『ギンパラ』の後に発表された同機。もぐらの愛らしいキャラに加えて、その人気要素などをうまく組み込んでいた演出がユーザーの心を掴みました。人気を二分するほどの反響を得たのです。

 その愛らしいキャラのもぐらですが、画面上では通常ヘルメットにサングラス姿です。しかし、実は乙女チックなつぶらな瞳の一面を持っていました。

 3つ絵柄が揃った時の真ん中のもぐらとか、大当り終了後に大きく映し出されたもぐらには、サングラスを外してウルウルの涙目になっていたのです。この表情に、やられてしまったユーザーも多かったのではないでしょうか。

 先程大当り確率にも触れましたが、いわゆる競合していた『ギンパラ』と比較してみます。『ギンパラ』の大当り確率も3段階設定付。設定1で223分の1、設定2で241分の1、設定3で257分の1となっていました。

 設定3であれば分母は50も違い『ギンパラ』が高かったわけです。通常で設置されていた確率は、一番低い設定3ばかりだったと思います。当時の機種で設定差を判別する示唆表示は無かったはずなので、設定差は自分自身でデータを採って考察するしかなかったのでした。

『花のもぐら組』は先に発表された『ギンパラ』と同じCR権利モノだったので、同じ島に向かい合って設置されていたパチンコ店が多かった印象です。『ギンパラ』が大人気機種になってから連日空台が無い状況もあって、パチンコ店にとってはその受け皿という位置で『花のもぐら組』を導入するというケースも多く見られました。

比較的当りやすかった印象。往年の名機として再登場を望みたい

 CR権利モノの特性として、スタートはスルー式であるために投資スピードがとても速かったというのがネックでした。しかし、通常のCRデジパチに比べると、比較的当りやすかった印象です。

 予算の無かった私も、CR権利モノが設置しているパチンコ店があれば、そっちを挑戦してみようと思ったことがありました。

 現状、『花のもぐら組』は、以降シリーズものとしては登場していません。同社の「クラシックシリーズ」的な機種では登場しています。ゲーム性とうまくマッチしていないと復活は見込まれないと思いますが、往年の名機として再登場を望みたいです。

四本コーヒー店

パチンコ好きが高じて異業種から転職し、長年パチンコ店の一般正社員としてホール現場を見てきた。単にパチンコを打つだけでなく、新規グランドオープンなどの市場調査やレトロ台探訪、のめり込み防止のための依存症考察など様々な遊技関連を日夜追っかけている変態パチンカー。そのため、大御所ライターや遊技機メーカーや周辺機器の幹部、他ホール法人の幹部などとの交流がある。ちなみに「四本」の読み仮名は(よんほん)ではなく(よつもと)である。

Twitter:@4444coffee

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