パチンコ店と飲食店が「同類」の疑問……実施済み「受動喫煙対策」先駆けたパチンコホール”努力”の行方
2020年開催の東京オリンピックに向けた「受動喫煙対策」に新たな動きが見られた。
政府は今月9日、健康受動喫煙防止法案(健康増進法の一部を改正する法律案)を閣議決定。学校や病院内などの敷地内は禁煙とし、飲食店や事務所などは原則屋内禁煙だが、喫煙専用室の設置を可にした。
また、飲食店では客席面積100平方メートル以下の場合は、喫煙か分煙の掲示をすれば喫煙が可能に。さらに、加熱式たばこも規制対象ではあるが、専用室を設ければ飲食も認める法案となっている。これまで以上に喫煙スペースが限られる内容だけに、喫煙率はさら減少するだろう。
2016年では男女合わせ2027万人だった喫煙者数は、2017年は1971万人に減少。今に始まったことではないが、全体的に減少傾向にある。
ただ、パチンコホールでの喫煙率は大きく変わっていない印象だ。「iQOS」などの加熱式タバコを吸うユーザーは目立ち始めているものの、紙タバコを含めると未だに喫煙者は多い。喫煙者を多く抱えるパチンコ店にとって、受動喫煙防止法案は死活問題といえるが……。
前向きな意見があるがことも確かだ。その理由は、法案内容の”曖昧さ”にある。
「パチンコ店の位置付けは『飲食店』と同じのようです。つまり、加熱式タバコ専用の喫煙室を設ければ、パチンコをしながらでも喫煙できるみたいですね。喫煙室専用のスペースを設けそこにパチンコ台を設置するイメージでしょうか。
ただ、加熱式タバコ専用の喫煙室がどういう構造なのか、具体的に決定しておらず、これからの方針次第のようですが……。
加熱式タバコの喫煙が認められるのは、パチンコホールにとって一安心でしょう。喫煙者が多く見られるパチンコ店ですからね。『吸えないなら行かない』と思うパチンコユーザーは少なくないです。ホールへ足を運ぶ人が大きく衰えることはないでしょう」(記者)
昨今では、「喫煙」に関して新たな取り組みを行うパチンコ店は数多い。一部のフロアに禁煙スペースを設けるホールが目立ち始めている。
また、紙タバコは「全フロア禁止」で喫煙専用室のみで喫煙可、但し「iQOS(アイコス)」は「全フロア」で喫煙可能という珍しいパチンコホールが昨年オープンするなど、受動喫煙対策を見越した動きを見せている。
こういったパチンコ店の努力は、受動喫煙防止法案が施行された時にスムーズに対応できる良い働きかけになるのではないか。
(文=編集部)
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