
JRA「菊花賞有力」へ!? 3連勝レイエンダ強烈な強さも、気になるルメール動向と秋動向
7月22日(日)、函館競馬場は最終日、メインの11レースでは世代最初の重賞である函館2歳ステークスが行われ、大いに盛り上がった。しかし、その前の10レースで競馬ファンはひとつの事件を目撃した。松前特別(3歳上1000万下、芝2000メートル)で、昨年の日本ダービー馬レイデオロの全弟レイエンダ(牡3歳、美浦・藤沢和雄厩舎)が大楽勝して、デビューから3連勝としたのだ。
もちろん、1000万の条件特別を楽勝したからといって、それ自体は事件ではない。競馬ファンが、レイエンダの勝ちっぷりに将来の大いなる可能性を実感したからこそ事件だったのだ。ネット上には「お主が世代No.1」「幻の2冠馬」「無敗というのは夢が広がる」「もっとワクワクさせてくれる事を期待!」といった多くのファンの声が上げられている。
デビュー前から大きな期待を集めていたレイエンダは、昨年の7月30日札幌競馬場の新馬戦(芝1800メートル)に出走。単勝は1.2倍の1番人気。レースは後方からになったが、ルメール騎手に軽く追われながら見せムチ一発に鋭く反応して楽勝。一躍、3歳牡馬クラシックの有力候補となった。ところが骨折が判明して10カ月の休養を余儀なくされた。
復帰戦は春のクラシックシーズン真っ盛り、翌々週には日本ダービーが開催される5月12日。東京競馬場の夏木立賞(3歳上500万下、芝2000メートル)に出走したレイエンダは、新馬戦同様に後方からの競馬で、直線で気持ち良さそうに前を走る馬たちを交わしていった。それに続いての大楽勝である。
松前特別を振り返ろう。スタート後、ルメール騎手が少し押し気味に出していくと、レイエンダはほとんど先頭に並ぶ。ルメール騎手がわずかに抑えると、レイエンダは素直に4番手まで下がる。向正面に入ると前2頭から3~4馬身離れた3番手に上がる。4コーナーでは前を射程圏に入れ、直線に向いて追われると、ノーステッキでもぐいぐい伸びて、逃げていたエルリストンに2馬身差をつけた。タイムは1.59.3とかなり速い(単純な比較はできないが先週の函館記念は1.59.8だった)。
新馬、500万特別と後方からの競馬だったレイエンダが、この松前特別で折り合いをつけて先行できたことは今後に向けて大きな意味を持つ。レースのメンバーやペース、コースなどによって、自在な戦法を取れることは大きな強みだ。
兄のレイデオロはレースでの折り合いは心配なさそうに見えるが、パドックではかなり入れ込む。レイエンダのパドックは3戦とも厩務員に甘えるそぶりを見せていて、精神的にはまだまだ子供のようだ。競馬でも、まだ本気で走ったことはないはずだ。おっとりとした性格のまま心身ともに成長していけば、さらに可能性は広がる。
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