フェブラリーS(G1)「さすが矢作」四位洋文騎手がモズアスコット陣営を絶賛! アグネスデジタル主戦騎手が語る「二刀流挑戦」の難しさ
19日、フェブラリーS(G1)の有力馬モズアスコット(牡6歳、栗東・矢作芳人厩舎)が最終追い切りを行い、栗東の坂路を力強く駆け上がった。
4ハロン51.4秒、ラスト12.4秒の動きに、見守った矢作芳人調教師も「前走時の追い切りより反応は良かった」と手応え。鞍上のC.ルメール騎手も「前走が80なら今回は100。トップコンディション。前走と違い、自分から動こうとしていました」と、さらなる上積みに太鼓判を押した。
それにしても2018年の安田記念(G1)で「芝のマイル王」に輝いたモズアスコットが、ダートの頂点に挑もうとしているとは誰に予想できただろうか。
昨年のマイルCS(G1)。前走のスワンS(G2)で2着で約1年ぶりに馬券に絡むなど、復調の気配を見せていたモズアスコットだったが、評価は7番人気。かつての力は認めるが、もうG1では通用しない――、それが大方の見方だった。結果は14着、決して間違っていなかったはずだ。
明け6歳「引退」の2文字もちらつく中、矢作調教師を始めとする陣営が舵を切ったのが、モズアスコットが再び輝きを取り戻すことになるオールラウンダーへの転身、ダート挑戦だった。
この日を行われたフェブラリーSの共同会見で、根岸S(G3)のチャレンジを振り返った矢作調教師は「満を持してのダート出走」だったと明かしている。そこには普段の調教の動き、血統、そしてモズアスコット自身がパワー型に変化しているという3つの根拠があった。
だが、「上手く行きすぎかもしれませんね。自分の見立てが間違っていなくてよかった」と師が振り返っている通り、厩舎としても“賭け”であったことには違いない。
そんな陣営の決断力に手放しで賞賛を送ったのが、2002年のアグネスデジタルでフェブラリーSを制した四位洋文騎手だ。
「さすがだなと思いましたよ」
『netkeiba,com』で「引退特集」でインタビューに応じた四位騎手は、主戦騎手として交流重賞の南部杯→芝の天皇賞・秋→海外の香港C→そしてダートのフェブラリーSを4連勝し、平成を代表するオールラウンダーとして名を馳せたアグネスデジタルの活躍を振り返りながら、今回「令和のオールラウンダー」に挑戦しているモズアスコット陣営にも付言している。
詳細は記事をご覧いただきたいが、四位騎手は「やっぱりビジョンを持って使ってきた矢作先生はすごいですよね」と陣営の手腕を称賛。いくら根拠があったとしても「いざ使ってみたら走らない馬もいっぱいいますから」と、“二刀流”挑戦に対する難しさを語っている。
共同会見の席で「厩舎の成功の秘訣は?」という問いに「僕があまり余計なことを言わないことじゃないですか(笑)」と、おどけて見せた矢作調教師。年度代表馬となったリスグラシューこそ引退したが、その手腕は今年も競馬界を沸かせるに違いない。
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