
JRAフェブラリーS(G1)武豊インティに「先着」ヴェンジェンス、「世界的良血」父が果たせなかったG1制覇へ!

23日(日)に東京競馬場で開催される今年最初のG1、フェブラリーS。今年は例年に比べやや手薄なメンバー構成となった。
昨年12月のチャンピオンズC(G1)の1~2着馬、クリソベリルとゴールドドリームが今月末に行われる第1回サウジCに登録。同レース4着のチュウワウィザードは3月のドバイワールドカップに向かう。
人気の中心は、そのチャンピオンズCで僅差の3着に粘ったインティと、前哨戦・根岸S(G3)を豪快に差し切ったモズアスコットの2頭になるだろう。ただし、インティは昨年のフェブラリーSを最後に勝利から遠ざかっており、モズアスコットもダート2走目で全幅の信頼は置きにくい。
そこで浮上するのが、前走の東海S(G2)2着から参戦するヴェンジェンス(牡7歳、栗東・大根田裕之厩舎)だ。
前走は道中中団を進み、3角すぎから早めに進出すると、上がり3ハロン最速タイの末脚を繰り出した。インティを半馬身かわしたが、優勝したエアアルマスには半馬身及ばず惜敗。しかし道中の位置取りを考えると、勝ちに等しい2着だったと言えるだろう。
ヴェンジェンスの強みは、その安定感だ。特に昨年2月以降は、8戦して「3-2-2-1」と馬券圏外は1度だけ。7着に敗れた2走前のチャンピオンズCも大外16番枠から出脚がつかず後方からの競馬。結果的に経済コースを通った先行勢が有利な流れのなか、終始外を回らされる厳しいレースだった。
「大外枠に入り、ペースが落ち着いた時点で掲示板すら難しいレースでした。直線はジリジリ伸びており、7着という結果は度外視していい。今回の出走馬の中で、チャンピオンズCでヴェンジェンスに先着したのはインティと9歳馬のキングズガードだけ。今回のメンバーなら、ペース次第で“アタマ”まであるかもしれませんよ」(競馬記者)
17日の栗東坂路でヴェンジェンスに跨った幸英明騎手も『デイリースポーツ』の取材に「上手くかみ合えばチャンスはあると思います」と色気たっぷり。もしヴェンジェンスが勝てば、父が果たせなかった夢をつかむことになる。
ヴェンジェンスの父カジノドライヴは、米国産馬の世界的良血馬としてデビュー前から注目の存在だった。
デビューはやや遅く3歳2月。そこで武豊騎手を背に2着馬に2.3秒差をつける衝撃的な逃げ切り勝ちを収めた。その後は故郷米国に渡ると、2戦目でピーターパンS(G2)を2着に5馬身差以上つけ快勝。期待が高まった米国クラシック三冠の最終戦ベルモントS(G1)は挫石のため出走を回避し、故郷でのG1制覇は幻に終わった。
帰国後は4歳時にフェブラリーS(2009年)にも挑戦。3番人気でサクセスブロッケンの2着に入った。その後は故障もあって、国内での勝利は結局、新馬戦と1600万下だけだったが、その良血が買われ、引退後は社台スタリオンステーションで種牡馬入りした。ヴェンジェンスはその初年度産駒。父に初のJRA重賞勝利をもたらしたのもヴェンジェンスだった。
奇しくも今年のフェブラリーS当日は父が衝撃のデビューを飾った日と同じ2月23日。ヴェンジェンスは、12年前に父が見たG1制覇という夢をかなえることはできるだろうか。
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