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JRA油断すると「ところてん式」に路頭に迷う運命、新人騎手デビューの煽りを受けた若手やベテランの過酷な現実

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 先日、騎手免許新規合格者が発表され、16日には東西トレセンで新人騎手のムチ贈呈式が行われた。栗東6人、美浦4人の計10名が、3月からデビューする。

 小牧太騎手を父に持つ小牧加矢太騎手は障害専門だが、その他の騎手はまず平地が主戦場。デビューを控え、トレセンで必死に調教に励んでいる姿が目につくという話も聞いている。

 ただ、引退する騎手よりも多い10名が新規デビューするため、やや飽和状態になりつつあることも確か。なかなか結果を残せなかったり、一度は波に乗りかけても、慢心するとすぐに成績が落ちるのが、厳しい勝負の世界で戦うプロの宿命。壁を越えて、未来の競馬界を背負う存在が出てくることに期待したい。

 そんな若手の中でも現在一番もがいているのが、亀田温心騎手かもしれない。

 昨年はレイハリアで重賞を2勝するなど、着実にステップアップしているように見えたものの、今年は64鞍に乗って未だ勝ち星なし。しかも、西では年明け早々にローカルの小倉開催が始まるなど、騎手がバラけて勝利を挙げやすい状況にもかかわらず、苦戦しているのは深刻だ。

「このままでは年間10勝前後の成績になってしまう恐れもありそうです。こういったケースは今に始まったことでもありません。最初は3キロの減量を武器に多くの依頼が舞い込み、2年目くらいにブレイクしますが、大体1キロ減くらいからガクンと成績が落ちるんです。

毎年、勢いのある3キロ減騎手がデビューしますし、それまでに信頼を得られないと、どうしても依頼がそちらに流れてしまうんですよ。鮫島良太や川須栄彦、高倉稜、加藤祥太らの新人騎手時代も一度は完全に波に乗りながら、以降は伸び悩んでいます。エージェントも、彼らが関東に遠征する日には、電話やメールで必死に売り込んでいるようです」(競馬記者)

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斎藤新騎手

 また、意外なことに、年明けの中山金杯(G3)を制した斎藤新騎手も、同じような状況となっているらしい。こちらも減量特典がなくなってからは、勝つペースが鈍り始めただけに、今年が正念場か。

「師匠の安田隆行調教師が来年で定年ですから、おそらくこのままだと更に厳しくなるでしょうね。あくまで噂レベルの話ですけれど、師匠の後ろ盾がなくなったら美浦に籍を移して、父の斎藤誠調教師がバックアップするのではという噂もありました」(同)

 また、これだけ新人騎手がデビューすると、彼らのエージェント問題も出るという。デビュー前に、大体誰が就くのかは決まっているのだが、売れっ子のエージェントは枠に空きがない場合が多い。

「エージェントも商売なので、現在担当している成績の悪い騎手を切って、他の騎手に入れ替えることも普通に行われます。こういったことも、影響力のあるエージェントが、騎手の成績を左右する要因になっているのですが……。

個人名は出せませんが、成績が落ちている某騎手が、現担当から切られるという話も耳にしました。いずれはJRAのホームページで正式に発表される事でしょう。各エージェントの担当騎手を把握しておけば、大体の推察はつくので覚えておくと色々な勢力図が見えてきて面白いと思います」(別の記者)

 騎乗技術の優劣は勿論、有力馬のオーナーを多く抱えるエージェントもまた、騎手と同じく力関係が存在している競馬界。かつては調教師がオーナーに逆らってでも弟子を乗せた時代もあったが、ドライな関係になりつつあるのも、近年の大きな特徴といえるだろう。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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