JRA 藤田菜七子に早くも「栗東移籍」効果てきめん!? 関西の「大物トレーナー」から相次ぐ騎乗依頼にスランプ脱出は目前か
高松宮記念(G1)が行われた27日の中京競馬場は、福永祐一騎手、武豊騎手、横山武史騎手などトップジョッキーが勢揃い。平場のレースでもローカルを主戦場とする若手に混じって騎乗する姿が見られた。
ジョッキーが揃っていた関係で若手騎手の多くは、騎乗数の確保に苦慮したことだろう。その一方で競争が激しい日曜の中京で、計7鞍もの騎乗数を得たのが藤田菜七子騎手だ。
現役女性ジョッキーの先駆けとして知られる藤田騎手だが、近年は低迷が続いている。昨年は左鎖骨の骨折による戦線離脱の影響もあって14勝と、一昨年の35勝から大幅にダウン。今年は戦線離脱等がない状況で1勝のみと苦境に立たされている。
そんな女性騎手の第一人者が現状を打破すべく採ったのが、「栗東滞在」だ。美浦のジョッキーであるが、「関西との繋がりを広げていきたい」という目的のため、3月から5月の新潟開催終了まで栗東トレセンへ活動拠点を移した。
拠点移動直後こそ関西の厩舎からの依頼が少なかったが、それも時が経つにつれて徐々に解消されてきた。27日に騎乗した7レースのうち、半分以上の4レースが関西馬だった。
さらに、2レースは藤原英昭厩舎からの依頼だ。藤原英厩舎は昨年のダービー馬で先日のドバイシーマクラシック(G1)を制したシャフリヤールなど、数々の名馬を手掛けてきた日本有数のトップステーブルだ。
特に藤田騎手が中京2Rで騎乗したアタカンテは半兄にG1馬ワイドファラオがいる良血馬で、レースでは1番人気に支持されるほど素質が評価されていた。残念ながら2着と勝利はできなかったが、それほどの素質馬を任されるほど藤田騎手は、藤原英厩舎と良好な関係を築いている可能性が高い。
「27日当日は藤原英厩舎所属の岩田望来騎手や懇意にしている福永騎手などの関西騎手が、中京競馬場にいたにもかかわらず、2レースも藤田騎手へ騎乗依頼しているのは驚きました。
実は藤田騎手と藤原英厩舎のコンビは、27日が初めて。藤田騎手がデビューして、かれこれ6年経過しますが、初めての依頼で早速2レース。それも1番人気、5番人気と力のある馬ばかりです。藤原英師は藤田騎手を高く買っているかもしれませんよ。
また、松永幹夫厩舎、大久保龍志厩舎など他の有力関西厩舎からも依頼が増えてきました。この調子でいけば拠点移動時の目標の1つである『関西との繋がりを増やしたい』を達成する確率は高いでしょう」(競馬誌ライター)
今季1勝と苦しい状況が続いているが、騎乗数の増加、大手厩舎から初めての騎乗依頼など徐々に光が見え始めてきた藤田騎手。スランプ脱出の日は近いかもしれない。
(文=坂井豊吉)
<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……
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