元JRA藤田伸二氏「ちょっとないな」アートハウス川田将雅をバッサリ…「直線向くまで200点騎乗」と評価も手痛いダメ出し
23日夜、元JRA騎手の藤田伸二氏が自身のYouTube「藤田伸二チャンネル」で熱弁を振るいながら生配信を敢行。元一流騎手ならではの視点で、前日に行われたオークス(G1)を回顧した。
真っ先に触れたのは、自身が「◎」を打った1番人気のサークルオブライフ。昨年ユーバーレーベンを勝利に導いたM.デムーロ騎手の手綱捌きに期待した様子だったが、「出遅れが全て」、「(ペースが落ち着いた)2コーナーでもう終わったなと思いました」と、早々に終戦モードだったことを明かし、「ミルコの馬に関しては以上です!」と、本命馬の話題を早々と切り上げた。
続いて牝馬二冠を達成したスターズオンアースの話題に移った藤田氏は、「なぜ18番枠からあのパフォーマンスが(発揮)できたか」と視聴者に問いかけた。
藤田氏の見解では、隣の17番枠から発走した三浦皇成騎手鞍上のニシノラブウインクの出方が大きかったという。
「(ニシノラブウインクはスタートしてから)50~100mくらい追って出していった。その外にいたルメールは、皇成が行かなかったら1コーナーで7~8頭分は外を回らなくてはいけなかったところを、行ってくれた分、4頭分くらいのコースロスで済むポジション取りができた」と持論を展開。すぐ内の馬が積極的に前に行ったため、スターズオンアースは1~2コーナーにかけて想定よりロスの少ない競馬ができたことを「一番の勝因」に挙げた。
「ルメールにしたらハナ切ってくれた皇成に感謝じゃないかな」と、スターズオンアース快勝の陰には三浦騎手の“ナイスアシスト”があったという見解も披露した。
その後、武豊騎手騎乗のウォーターナビレラにも言及した藤田氏。「距離が長かった」こともあって、道中は馬が戸惑う場面もあったという。このあたりの解説はぜひ本動画を視聴いただきたい。
元JRA藤田伸二氏「ちょっとないな」アートハウス川田将雅をバッサリ
続いて取り上げたのは2番人気アートハウスの話題だった。有力馬に騎乗していたほとんどの騎手がソツない騎乗だったと藤田氏は評価したが、アートハウスの川田将雅騎手に対してはやや辛口なトーンで振り返った。
スタート後の1完歩目で外に寄れるシーンはあったが、すぐ立て直しに成功したというアートハウスと川田騎手。藤田氏は「(道中は)最高の位置取りでしたね」、「4コーナー直線向くまでは完璧。200点くらいあげたい乗り方をしていました」と後輩騎手を持ち上げた。
ところが、最後の直線で川田騎手が見せた仕掛けのタイミングが気になったという。「(残り)400mのハロン棒を待たずに追い出してしまった。俺に言わせたら、早仕掛けでしたね」とバッサリ。「手応え良く回ってきたなら、周りの馬が来るまでもっと我慢すべきだった」、「(残り)400mから動いたら最後は止まっちゃうよね」と、自身が何度も経験した府中の長い直線における仕掛けるタイミングの難しさを説いた。
「早仕掛けの遠因には前走の忘れな草賞(L)の圧勝があったかもしれません。ゴールまで加速ラップで後続馬を突き放した走りはなかなかでした。川田騎手としても同じ走りが出来たなら、あそこからでも大丈夫という手応えもあったのではないでしょうか」(競馬誌ライター)
藤田氏も言及していたが、アートハウスの母パールコードは、現役時代に川田騎手が重賞を勝たすことができなかったが、母の無念を晴らす機会は次回に持ち越しとなった。
桜花賞馬を蹴ってまで臨んだ大一番で敗れたアートハウスと川田騎手に対し、「あれだけベテランの域に達している騎手でありながら、あの早仕掛けはちょっとないなと思いましたね」と、藤田氏は最後まで手を緩めることはなかった。
名手から手痛いダメ出しをもらった川田騎手だが、ダノンベルーガと挑むダービーで意地を見せられるだろうか。
(文=中川大河)
<著者プロフィール>
競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。
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