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武豊も「信頼」キタサンブラック“元相棒”が逃亡劇で重賞初V

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 30日、夏の新潟開催がついに開幕。初日の8Rは新潟で唯一の障害重賞となる新潟ジャンプS(G3)が行われた。

 11個の置き障害が用意されている3250mのコースに集結したのは14頭。障害で6戦2勝のゼノヴァースが1番人気に支持され、ケイティクレバー、ホッコーメヴィウス、ヴァーダイトが単勝オッズでこれに続いた。

 そんな混戦模様のレースをスタートから支配したのは3番人気のホッコーメヴィウス(セ6歳、栗東・清水久詞厩舎)だった。

 内目の5番枠からポンと飛び出すと、楽にハナを奪ってマイペースの逃げ。11回の飛越を軽快にさばくと、手応え抜群のまま最後の直線へ。残り100mを切って1番人気ゼノヴァースに鋭く詰め寄られたが、何とかこれを3/4馬身差でしのぎ、6度目の重賞挑戦で待望の重賞初勝利を飾った。

 また、この勝利は鞍上の黒岩悠騎手にとっても嬉しい重賞初制覇。競馬学校の同期に田辺裕信騎手がいる38歳のベテランは、これが実に56度目の重賞挑戦で、まさに悲願成就といえるだろう。

キタサンブラック、エイシンフラッシュを手掛けた名手

 

「普段障害レースをあまり見ないファンはあまり馴染みがない騎手かもしれません。それもそのはず、黒岩騎手にとって今年30回目の騎乗でしたが、平地レースは3レースだけ。つまりほぼ障害専門ジョッキーといえます。

デビューした年は2勝に終わりましたが、2年目は平地を中心に17勝。その年、田辺騎手が20勝だったので、当時は同期のライバルと遜色ない成績を残していたことになります。ところが3年目の1月に障害レースで落馬。骨盤骨折の重傷を負ってしまい、約半年間の休養を強いられました。

当然大ケガの影響もあったのでしょう。それ以降は騎乗機会も激減し、成績も落ち込んでしまいました。徐々に障害に軸足を移し、なんとか現役を続けてきた苦労人です」(競馬誌ライター)

 今年21年目を迎えた黒岩騎手だが、実はすぐれた“調教助手”の一面も持っている。主に清水久厩舎のトップホースを任され、これまで快足逃げ馬3頭の調教をつけた経験がある。

 1頭目は重賞を通算4勝した清水久厩舎のトウケイヘイロー。13年夏に武豊騎手とのコンビで重賞を3連勝した同馬の調教をつけていた。

 トウケイヘイローの“調教助手”として実績を積んだ黒岩騎手が数年後に出会ったのが、同じ清水久厩舎のキタサンブラック。G1を7勝した陰の功労者になった。他にも坂口正則厩舎所属で海外G1を2勝したエイシンヒカリの調教もつけたことがある。

「トウケイヘイロー、キタサンブラック、エイシンヒカリの3頭には、逃げ馬と主戦が武騎手という共通点があります。武騎手はかつて、キタサンブラックの調教をつけていた黒岩騎手に対して『彼に任せておけば問題ない』『僕よりも彼が乗ったほうが良い』と、絶大な信頼を寄せていました。騎手としては年間1桁勝利の苦しい状況が続く黒岩騎手ですが、キタサンブラックらにとっては“第二の主戦騎手”だったというわけです」(同)

 騎手人生21年目でようやくつかんだ重賞Vが清水久厩舎の管理馬、そして逃げ切り勝ちだったことは必然だったのかもしれない。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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