JRA G1「7勝馬」全弟に「代打騎乗」も“崖っぷち”騎手が喜べない事情!? 引退騎手から“逆に”引導を渡される可能性も……
26日に行われる清秋ジャンプS(障害OP)に騎乗する山本康志騎手は、今週が騎手としての最後の騎乗となる。2011年には、マジェスティバイオで挑んだ中山大障害(J・G1)でG1勝利も飾っているJ・G1ジョッキーだ。
引退を決意した理由について「乗り馬が減ったのが一番の要因」と『スポニチアネックス』の取材に回答した。
G1勝利後は徐々に騎乗数も増え続け、2018年には85鞍に騎乗した山本騎手。しかし、昨年の騎乗数が54鞍にまで激減、今年も現時点で47鞍と騎乗回数が減った事が引退の原因となったようだ。
引退レースとなるのが、27日の障害未勝利戦。26日の清秋ジャンプSがオープンのレースとしては最終騎乗となる。
このレースで山本騎手が騎乗するマイネルヴァッサー(牡7歳、美浦・土田稔厩舎)は、前走成績、コース実績などから人気薄が予想される状況。どんな手綱捌きを見せるのかに注目したい。
そして、この清秋ジャンプSでもう1頭注目を集めるのが、オジュウチョウサンの全弟であるコウキチョウサン(牡7歳、美浦・和田正一厩舎)だ。
オジュウチョウサンといえば、障害G1を7勝した「名ジャンパー」。そんな名馬の弟であるコウキチョウサンは、母シャドウシルエットに父がステイゴールド。偉大な兄と同血である事からも、障害界の次世代スター候補として注目が集まっているわけだ。
コウキチョウサンは障害転向後、今回が10戦目。前走、福島の障害オープン戦を兄の主戦でもある石神深一騎手騎乗で勝利した。しかし、石神騎手がその後、新潟ジャンプS(J・G3)で落馬負傷。胸椎圧迫骨折、肋骨骨折、肺気胸と診断され、現在も戦線を離脱している状況だ。
これにより今回、コウキチョウサンの騎乗を託されたのが高野和馬騎手であるが、この「代打騎乗」にうかうか喜んでもいられない状況があると記者はいう。
「2004年にデビューした高野騎手は同年に2勝しかできず、続く2005年、2006年は1勝のみと結果を残せないでいました。さすがに、3年目までは100以上あった騎乗数も4年目からは激減しましたね。年間50~70鞍という騎乗数で2017年までは推移していましたが、2018年から騎乗数がさらに激減しました。2018年が37鞍、2019年が33鞍、今年に至っては現時点で21鞍のみとなっています」(競馬記者)
実際に昨年、今年と未だに「0勝」で、まさに“崖っぷち”ともいえる状況の高野騎手。最後に勝利を挙げたのが一昨年の4月であるから、約2年5カ月も勝利から遠ざかっている事となるのだ。
「騎乗数の減少に加え、人気馬への騎乗も少なくなっています。2015年以降1番人気の騎乗はなし、近2年は3番人気以上の騎乗もありません。そういう状況の中で、今回はまさに“千載一遇”のチャンスともいえる状況なのですが、これで結果を残せなければ逆に今後の騎乗数にも悪い影響を及ぼしかねません」(同)
冒頭の山本騎手が勝つような事があれば、引退する騎手から“逆に”引導を渡されるという事にもなりかねない高野騎手。記者も話すように勝負の世界とは厳しいのである。
土曜中山の8R、14:00発走予定の清秋ジャンプS。様々な思いが交錯する障害戦、自分の思いを馬券に託してみてはいかがだろうか。
PICK UP
Ranking
17:30更新- ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
- クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪
- 武豊×ドウデュース完全包囲網で波乱含み!?豪華メンバーのジャパンCにチェルヴィニア、ブローザホーン、オーギュストロダンら最強メンバー集結。レジェンド元JRA騎手の見解は?
- 「別競技」の高速馬場で欧州最強マイラーの意地見せたチャリン!ジャパンC参戦オーギュストロダン、ゴリアットに朗報?
- C.ルメール「アンラッキー」な過怠金に謝罪…マイルCSでも「牝馬のC.デムーロ」の手綱冴えるか?
- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
- 【京都2歳S(G3)展望】藤田晋オーナーの大物エリキングが登場! ジョバンニ、サラコスティがリベンジに燃える
- 【ジャパンC(G1)展望】「ディープ」オーギュストロダンVS「ハーツ」ドウデュース、2005年有馬記念から19年越しの最終決戦!
- 春のG1戦線に水を差す「醜聞」続く…現役騎手の父に詐欺容疑、G1馬オーナーが逮捕
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
関連記事
JRA絶対王者オジュウチョウサン「弟」コウキチョウサンが障害2勝目!一方、1番人気馬まさかの“飛越拒否”で騎手落馬
JRA神戸新聞杯(G2)武豊も「潜在能力」を評価した打倒コントレイル「1番手」はアノ馬!? 奥手のディープインパクト産駒に陣営も大きな期待感
JRA史に残るオールカマー伝説の大逃げ ~君はツインターボを知っているか?~
JRA福永祐一「破顔一笑」戸崎圭太「顔面蒼白」レッドベルオーブ狂想曲!? 武豊vs岩田康誠「仁義なきハナ争い」、「令和の穴騎手」&「代打ネ申」、順調コントレイルの裏に「歴代ホースマン」の英知【週末GJ人気記事総まとめ】
JRAコントレイル、日本ダービーの“3冠確定”示唆から一転、波乱の「危機」到来!? 神戸新聞杯(G2)14年前の“呪い”が襲い掛かる