JRA【ファルコンS(G3)回顧】ルークズネストの自在性に大本命グレナディアガーズ敗れる! ダノンザキッドに続いて連敗の「2歳王者」の課題と吉兆とは?
20日、中京競馬場で行われたファルコンS(G3)は幸英明騎手騎乗の3番人気ルークズネスト(牡3、栗東・浜田多実雄厩舎)が前年の朝日杯FS(G1)の勝ち馬で、川田将雅騎手騎乗の1番人気グレナディアガーズ(牡3、栗東・中内田充厩舎)をアタマ差下し、嬉しい初重賞制覇を飾った。良馬場の勝ちタイムは1:20.1秒。
勝ったルークズネストは父モーリス、母ヴィラ(母の父ディープインパクト)という血統。モーリス産駒は先週のフィリーズレビュー(G2)のシゲルピンクルビーに続き、芝1400mの3歳重賞を連勝。昨年の新種牡馬リーディング争いではドゥラメンテに僅差で敗れたモーリスだが、G1シリーズを前にいよいよ「本領発揮」の勢いだ。
ルークズネストは1月のシンザン記念(G3)で直線猛然と追い込んだものの、同じく父にモーリスを持つ福永祐一騎手騎乗のピクシーナイトにまんまと逃げ切りを許し2着に甘んじた。
今回、百戦錬磨の幸騎手は一転、末脚を活かすのではなく逃げの手に打って出た。やや煽り気味のスタートだったが、じわりと先頭を奪いに行く。
前半600m通過は33.7秒とやや速めの逃げ、そして番手から2歳マイル王グレナディアガーズが目を光らせている。直線を向いて川田騎手が楽な手応えのまま並びかけるが幸騎手は並ばせない。残り200m付近でルークズネストが外にヨレ、一瞬先頭を譲って「万事休すか」というシーンを作りながらも、そこから驚異の二枚腰でグレナディアガーズを差し返したのだ。
終わってみれば、スタートからゴールまでマッチレースのような形で決着。上位2頭から2馬身半差の3着には京王杯2歳S(G2)覇者でⅭ.ルメール騎手騎乗の2番人気モントライゼ(牡3、栗東・松永幹夫厩舎)が入線した。
レース後、ルークズネストの幸騎手は「極端な枠だったから、どんなレースをするか色々考えていました。馬が楽に前に出てくれたから、そのまま逃げました」とコメントしている。折り合いも特に問題があるようには見えず、自在性も高いとくればNHKマイルC(G1)でも面白い存在となるかも知れない。
また、グレナディアガーズの川田騎手は「久々のレースでテンションが高く、力んで走っていました。それでも辛抱が利いていたと思うのですが、最後は止まる感じになって勝ち馬に差し返されました。色々これから改善出来ればいいと思います」とコメントを残しているように、2歳マイル王の気難しい面はまだ解消されていないようである。
とはいえ今回は1キロの斤量差があってのアタマ差なら、年明け初戦としては上々の滑り出しではなかろうか。昨年のファルコンS2着馬ラウダシオンがその後、NHKマイルⅭを制しているように「ゲンが良い」と考えられなくもない。
2頭の再戦は5月9日、新緑の東京競馬場で行われる。
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