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JRA武豊「繰り返された愚行」に安藤勝己氏も困惑……故・近藤利一さんを怒らせた敗戦から15年、またも追いかけたディープインパクトの幻想

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JRA皐月賞(G1)武豊「繰り返された愚行」に安藤勝己氏も困惑……故・近藤利一さんを怒らせた敗戦から15年、またも追いかけたディープインパクトの幻想の画像1
ドウデュース 撮影:Ruriko.I

 天才は、またも繰り返し、そして敗れた。

 17日、中山競馬場で開催された皐月賞(G1)は、5番人気のジオグリフ(牡3歳、美浦・木村哲也厩舎)が勝利。勝利騎手インタビューで「思い描いていたレースができた」と語った福永祐一騎手のソツのない騎乗が光ったレースだった。

 その一方で、1番人気に推されながらも3着に敗れたドウデュース(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)にとっては、やや悔いの残るレースだったのではないだろうか。

「残念です――」

 ドウデュースを含め、イクイノックス、ダノンベルーガ、キラーアビリティの「4強」と言われながらも、史上稀に見る大混戦だった今年の皐月賞。それでも朝日杯フューチュリティS(G1)を勝った本馬が1番人気に推されたのは、前に行ってよし、後ろからでも良しという、どんな展開にも対応できる自在性が高く評価されたからだ。

 しかし、この「位置取り」を予測できたファンは一体何人いただろうか。

安藤勝己氏も困惑した武豊騎手の後方待機策

 18頭立て芝2000mのレースで、まずまずのスタート決めたドウデュース。前走で見せた好位からの競馬も想定できるポジションだったが、武豊騎手が選択したのは2走前の朝日杯FSのような後方からの競馬だった。

 しかし、朝日杯FSでは15頭中8番手と中団からの競馬だったが、この日は1コーナーを回る時点で18頭中15番手という、ほぼ最後方。「結果的にポジションが後ろ過ぎたんですかね」というレース後の武豊騎手の言葉通り、この時点で“嫌な予感”がしたファンは少なくなかったはずだ。

 ちなみに、皐月賞が行われる中山内回りコースの最後の直線の長さは310m。これはこの日の裏開催だった福島競馬場のCコースが299.7mといえば、如何に短いのかが伝わるだろう。案の定、4コーナー14番手から上がり最速の末脚で追い上げたドウデュースだったが3着がやっと。2着イクイノックスには1馬身1/4という決定的な差を付けられた。

「レース後、武豊騎手も『もう少しペースが流れるかと思ったけど……』と話していましたが、逃げ想定だったデシエルトがスタート直後に躓いてしまったことは、武豊騎手にとっても不運だったと思います。

ただ、それを差し引いても世代のトップレベルが集う皐月賞で、後方一気は至難の業。最後は素晴らしい末脚でしたが、残念ながら勝ち負けという感じではなかったですね」(競馬記者)

 この競馬には、元JRA騎手の安藤勝己氏も公式Twitterを通じて「ドウデュースはどうしても大外を回したかったか、距離を懸念して終いだけの競馬をしたかったのか。それにしても後ろからすぎた」と武豊騎手の作戦に困惑……。

「ワンツーがいい位置取ってただけにね」と、暗にもっと前から競馬すべきだったと示唆している。

 実際に、武豊騎手がディープインパクトで勝った2005年以降、計17回の皐月賞で4コーナー2桁通過より勝ち切ったのは、オルフェーヴル(11番手)とディーマジェスティ(10番手)のみ。ディーマジェスティは1000m通過58.4秒というハイペースがハマった結果であり、オルフェーヴルに至っては東日本大震災の影響で東京開催だった。

 あのディープインパクトでさえ9番手からの差し切りであり、1000m通過が60.2秒だった今年の皐月賞において、後方14番手から差し切るのは物理的に困難と言わざるを得ない。

「実は、武豊騎手は日本ダービーと菊花賞(G1)を共に通算5勝していますが、皐月賞は3勝に留まっています。その理由として最も大きいのが、今回のような後方からの競馬で差し届かずというもの。

若い頃から欧州競馬の影響を強く受けている武豊騎手は、いち早く日本に折り合い重視の競馬を取り入れたことで知られています。その結果、ここまで数々の金字塔を打ち立てた一方、大事なレースで位置取りが後ろ過ぎて届かずに取りこぼしてしまうことも珍しくありません。例年、前残りが多い皐月賞は、その典型的なレースの1つと言えそうです」(別の記者)

 今回のドウデュースを含め、武豊騎手はこれまで皐月賞で6度も1番人気馬に騎乗しているが、勝ったのはディープインパクトのみ。スペシャルウィークやアドマイヤベガ、アドマイヤムーンといった名馬で敗れた敗因は、すべて後方から届かずといった内容だった。

「特に印象に残ってるのは、2007年の皐月賞を1番人気で敗れたアドマイヤオーラですね。この馬もドウデュースと同じように前走の弥生賞は好位から競馬していましたが、本番の皐月賞では後方からの競馬で4着。

これが火種となって、その1か月後に同じアドマイヤ軍団のアドマイヤムーンが香港で敗れた際、馬主の近藤利一さん(故人)が武豊騎手の騎乗を厳しく批判したと言われています。その結果、両者の間に深い確執が生まれ、数々の大レースを制した名コンビは事実上の解散となりました」(同)

「またダービーに向けて頑張ります」

 レース後、そう前を向いた武豊騎手だが、2005年にディープインパクトで三冠制覇を成し遂げて以来、牡馬クラシックでは皐月賞だけ勝てていない。

 あの“衝撃”の末脚から、早くも17年。稀代のレジェンドが再び牡馬クラシック開幕戦の美酒に酔いしれるためには、再び伝説級の名馬と出会う必要があるのかもしれない。

(文=銀シャリ松岡)

<著者プロフィール>
 天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。

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