
JRAレイパパレ「距離不安」に加えC.ルメール「逃げない宣言」で大ピンチ!? 安藤勝己氏が再三指摘「2000mがギリギリ」を覆せるか
14日、阪神競馬場で行われるエリザベス女王杯(G1)にレイパパレ(牝4歳、栗東・高野友和厩舎)が出走する。
デビューから無傷の6連勝で大阪杯(G1)を勝利したときは「新女王誕生」と騒がれたが、その後は宝塚記念(G1)で3着、オールカマー(G2)でも4着に敗れ、レイパパレに対する評価は揺らいでいる。
同馬にとって変わらない事実は「2000m以下では無敗」という点だ。
この秋は天皇賞・秋(G1)やマイルCS(G1)という選択肢もあるなか、あえてエリザベス女王杯に矛先を向けてきた。陣営には、牝馬同士なら2200mでも勝算ありという考えがあるのだろう。自身のほかにG1馬がアカイトリノムスメだけという今年のメンバー構成なら、牡馬と戦うより与し易いという見立てかもしれない。
そんなレイパパレの距離適性について、公式Twitterで何度もコメントしてきたのが元JRA騎手の安藤勝己氏である。
昨年12月のチャレンジC(G3)で重賞初制覇を飾った際は「もうちょい相手が強くなると2000mがギリギリ。マイルの好位で折り合わす競馬がビンゴじゃないかな」と、ゆくゆくはマイラーとしての活躍を予測していた。
「実際にデビューからの2戦は1600mで強い勝ち方を見せていましたからね。徐々に距離を延ばして2000mの重賞を勝ちましたが、気性の激しさもあって、ペースが落ち着きやすい1800m以上では“折り合うのがやっと”という懸念の声は少なくありませんでした」(競馬誌ライター)
そして4番人気で迎えた大阪杯。コントレイルやグランアレグリアら歴戦のG1馬に比べると格下という評価だった。しかし、川田将雅騎手は作戦通りハナを奪うと、馬場も味方につけて堂々の逃げ切り勝ち。距離を不安視したファンを驚かせた。
実はこの時も安藤氏は「かなりの適性やった」と、あくまでも評価したのは道悪適性の高さだった。「とにかく馬場を味方につけたジャイアントキリングやった」と、フロック視ともとれるコメントも残している。
その後も安藤氏はレイパパレが走るたびに距離不安をツイート。クロノジェネシスに交わされ、逃げたユニコーンライオンも捉えきれなかった宝塚記念後には「あれで(ユニコーンライオンを)交わせなかったあたりは距離」、秋初戦のオールカマー後にも「本質2000mがギリギリやね」と、その考えは強固になっている。
もし大阪杯と同じように馬場が渋れば、道悪適性の高さで距離不安もかき消されるかもしれないが、週末の阪神競馬場周辺の天気予報は晴れ。道悪は望めない状況だ。
そんななか、10日の最終追い切り後に新コンビを組むC.ルメール騎手から興味深いコメントがあった。『スポーツ報知』の取材に対し、「距離はちょっと長いと思います」と距離不安を認めた上で、「馬の後ろで脚をためてリラックスして運べたらと思います」と“逃げない宣言”が飛び出した。これには前出のライターも驚きを隠せなかったようだ。
「近2走は番手に控えて敗れていたので、今回はハナを奪いにいく可能性もあると思っていました。逃げ馬が他にいるのも事実ですが、テンにある程度脚を使ってでも逃げた方がレイパパレは道中リラックスできると思うのですが……。
もちろん、ルメール騎手が本音(作戦)を隠している可能性もあります。枠の並びやスタート次第のところもあるでしょう。しかし、タフな阪神の2200mを勝つためには、大阪杯と同じように気分良く行かせるしかないと思います」(同)
陣営もが認める距離への不安。果たしてレイパパレは三度目の正直でこれを払拭できるのか。ルメール騎手の手綱さばきにも要注目だ。
(文=中川大河)
<著者プロフィール>
競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。
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