JRA武豊「争奪戦」激化は必至!? 朝日杯FS(G1)キーファーズVSウマ娘オーナーで明暗、記念すべきG1初挑戦はドウデュースの7着
19日、阪神競馬場で行われた朝日杯FS(G1)はドウデュース(牡2歳、栗東・友道康夫厩舎)が中団追走から直線の競り合いを制して優勝。鞍上の武豊騎手は同レース22度目の挑戦で初勝利を挙げ、JRAの平地G1完全制覇にリーチをかけた。
「ついに……、嬉しいです」と開口一番インタビューに答えた武騎手。「1戦ずつ強くなっているので、まだまだ強くなると思います」とパートナーを称え、最後は「(G1完全制覇へ)来週(ホープフルS)もあるので、リーチ一発で決めたいですね」と抱負を語った。
馬主のキーファーズは4度目の挑戦で、これが嬉しいG1初制覇。松島正昭代表が常々語っている「武豊騎手と凱旋門賞を勝つ」という夢にまた一歩前進した形だ。
一方、明暗を分けたのは、ドウデュースと同じく無傷の3連勝を懸け臨んだドーブネ(牡2歳、栗東・武幸四郎厩舎)だ。
デビュー戦には、武騎手が騎乗していたが、2戦目のききょうS(OP)から吉田隼人騎手に交替。距離不安もある中、5番人気に支持されていたが、4コーナーから直線入り口にかけてスムーズさを欠く競馬となってしまった。それでも最後はしぶとく脚を伸ばし7着。今後はマイル以下の短距離路線に進むことになるだろう。
ドーブネを所有するのは大ヒット競馬アプリ『ウマ娘 プリティーダービー』(Cygames)の藤田晋オーナー。馬主歴1年目の同氏が今年5月に千葉サラブレッドセール史上最高額となる5億円超で落札したのがドーブネだった。
初G1の朝日杯FSこそ残念な結果に終わったが、藤田オーナーの強運ぶりはすさまじい。ドーブネを含めてこれまで2歳馬5頭をデビューさせているが、4頭が勝ち上がり、3頭はすでに2勝。唯一未勝利のラヤスも初芝の3戦目で3着に入り、この勢いなら全頭勝ち上がりも現実味を帯びて来る。
そんな藤田氏が馬主になるきっかけとなったのが武騎手との対談だった。以前から馬主には興味を持っていたという藤田氏だが、昨年末に某雑誌の企画で武騎手と対談した際に「馬主どうですか?」と声をかけられ、背中を押されたことを明かしている。
「ウマ娘という大ヒットアプリを開発し、高額馬を次々と購入している藤田氏だけに、今後も強い馬をどんどん送り込む可能性は高いですね。きっかけとなった武騎手への騎乗依頼も多く、全体の7割近くを占めるほどです。
今回は残念ながらキーファーズに譲る格好になりましたが、今後は両者(キーファーズと藤田氏)の間でさらに激しい『武豊争奪戦』が勃発するかもしれませんよ」(競馬誌ライター)
G1初挑戦はほろ苦い結果に終わった藤田氏。連載している『スポーツ報知』のコラムで、「祝!朝日杯制覇!」と「祝!3着以内!」という2つのくす玉を用意していることを明かしていた。
レース後、自身のTwitterに「しまったな。『祝!G1初出走』バージョン用意しとけば」とつぶやいた藤田氏。次に見据えるのは武騎手でのG1初出走、そしてG1制覇だろう。強運馬主の今後に要注目だ。
(文=中川大河)
<著者プロフィール>
競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。
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