JRA大阪杯(G1)「匂わせ発言」ジャックドールが伏線回収!? 前走は騙されたという声も…… 陣営「このままでは難しい」有言実行の条件整うならここ
4月3日、阪神競馬場では春G1の第2弾となる大阪杯(G1)が開催される。昨年の年度代表馬エフフォーリアも登場し、現役最強馬が今年の始動戦でどのような走りを見せるのかも楽しみである。
そして、エフフォーリアの対抗馬として注目を集めるのが、ジャックドール(牡4、栗東・藤岡健一厩舎)だ。G1を3勝している大本命に対し、こちらは5連勝で金鯱賞(G2)を制した。
実績面では見劣るものの、前走で負かした相手はレイパパレやアカイイトといったG1勝ち馬。現在の勢いなら絶対王者が相手でも恥ずかしくない競馬を期待出来そうだ。
その一方、ジャックドールの連勝の内訳は、2番手から抜け出した1勝クラスを除けば、5勝のうち4勝が逃げ切り勝ち。前走の金鯱賞で芝2000mを1分57秒2(良馬場)のレコードをマークしたように、逃げてこそ高いパフォーマンスを発揮しているようにも感じられた。
相手関係が一気に強化されるG1の舞台で、再び逃げることになるのだろうか。
こちらについては、本馬を管理する藤岡調教師の「どこかで脚質は少し変えなきゃいけないとも考えています」という発言が少々引っ掛かる。
『netkeiba.com』で連載中の『今週のFace』に登場した藤岡師。詳細はぜひ本インタビューをご覧頂きたいが、この中で「ここから先、重賞や大きいレースになるほど、このまま逃げ切りで勝つのは難しい」ともコメントしていたことは記憶に新しい。
ちょうど金鯱賞前のタイミングだったこともあり、「もしかしたら控えるのでは?」と予想したファンも少なくなかったが、実際にレースが始まると鞍上の藤岡佑介騎手は迷わずハナを主張。これまでのスタイルを変えることはなかった。
ネットの掲示板やSNSなどでは、一部のファンから「騙された」という声も出ていたものの、陣営からしたら「まだそのタイミングではない」ということかもしれない。
そう考えると今回の大阪杯こそ、逃げないジャックドールを見られる可能性が高いといえないだろうか。
「金鯱賞はすんなり逃げられるだけの条件も揃っていました。近走で積極策を採っていたショウナンバルディが後ろからの競馬を選び、前年の優勝馬ギベオンにしても行く馬がいなければといった程度の馬でした。
最大の強敵と見られたレイパパレも、現状は逃げる競馬からのモデルチェンジを模索中でしたから、ジャックドールがあえて控える必要もありませんでした。ただ、今回より相手が楽だった前走で試せなかったことは不安があります」(競馬記者)
さらに、当時のジャックドール陣営は、賞金を確実に加算しておきたかった意図もあっただろう。連勝中とはいえ、まだ重賞勝ちはなかった。大阪杯出走を確実なものとするためには、リスクを冒すなら先と考えて不思議はない。
また、大阪杯の出走メンバーを見渡すと、2月の京都記念(G2)を逃げ切り勝ちしたアフリカンゴールドもいる。ショウナンバルディにしても今度は積極的な競馬に戻してくる可能性もある。
ハナに立ったところで、エフフォーリアから目標にされやすくなるため、あまりメリットもなさそうだ。こういった事情を考えると、「ここから先、重賞や大きいレースになるほど、このまま逃げ切りで勝つのは難しい」という伏線を回収するなら、条件が揃ったといえないだろうか。
懸念があるとすれば、陣営の期待と裏腹にジャックドールが「逃げてこそ」のタイプだった場合だ。強敵エフフォーリア相手に陣営が選択するのは「逃げ」か、それとも「控える競馬」か。
ステップレースの前走で試せなかったことが、裏目に出なければいいのだが……。
(文=黒井零)
<著者プロフィール>
1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。
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