JRA「未完の大器」プログノーシスが3連勝で宝塚記念(G1)も視野!? 川田将雅「まだまだ」も“異次元の末脚”で先週・大阪杯のタイム上回る
9日、阪神競馬場で行われた京橋S(3勝クラス)は、圧倒的1番人気のプログノーシス(牡4歳、栗東・中内田充正厩舎)が勝利。遅れた来た大物が、3連勝でオープン入りを果たした。
未完の大器の2022年が開幕した。
11頭立て、芝2000mのレース。課題のスタートこそ、またも出遅れとなってしまったが、ピンチらしいピンチはそこだけだった。最後方から2頭目の競馬となったプログノーシスだが、最後の直線を迎えてもまだ後方2番手。しかし、鞍上の川田将雅騎手に大外へ持ち出されると、そこから自慢の末脚が爆発。あっという間に馬群を飲み込み、最後は2着に1馬身差をつけて悠々ゴールした。
「力が違いました。今の阪神は芝コンディションが良好で、この日も内目で前に行った馬が有利な状況。さらには直線の短い内回りコースと、出遅れたプログノーシスには不利な状況が揃っていたのですが……。まったく問題なかったですね。
ちなみに上がり3ハロン33.1秒は、第2位の33.7秒に0.6秒差をつける断トツ1位。まさに『異次元の末脚』と言える破壊力でした。川田騎手もしっかり追ったという程度、見た目はまさに調教代わり。底知れないスケールを感じさせる馬で、今後はさらに注目が集まりそうです」(競馬記者)
記者がここまで絶賛するのも当然か。ここまで5戦4勝、唯一敗れたのは昨年の毎日杯(G3)の3着だが、勝ったのはその年のダービー馬シャフリヤールであり、2着もダービー4着馬グレートマジシャンだった。
さらに休養を挟んでの1勝クラスでは、後にローズS(G2)を勝って秋華賞(G1)でも3着するアンドヴァラナウトに3馬身差の圧勝。前走の武田尾特別(2勝クラス)でも上がり3ハロン32.8秒という絶品の切れ味で楽勝している。
「レース後ですが、川田騎手は『道中も直線も全体的に走りができてない』と辛口でしたね。確かにスタートや、最後の直線でもまだ幼さを感じる走りでしたが、これは当然、陣営がこの馬と目指しているステージが高い場所にあるためでしょう。
ここまでじっくり成長を促しながら使われてきた馬なので、本格化はまだ先でしょうが、次はいよいよ重賞挑戦となってもおかしくない器だと思います。少し気が早いですが、もし連勝を伸ばすようなら、6月の宝塚記念(G1)も視野に入ってくるかもしれませんね」(同)
「『まだまだ時間が必要かな』と感じる内容でした。また改めて、ですね」
レース後、川田騎手からさらなる成長を期待されたプログノーシス。ちなみに勝ち時計の1:58.3は、同舞台で行われた先週の大阪杯(G1)より0.1秒速い。果たして、未完の大器はどこまで大きく育つのか。エフフォーリア世代の遅れてきた大物が、いよいよトップクラスに殴り込みをかける。
(文=大村克之)
<著者プロフィール>
稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。
PICK UP
Ranking
17:30更新- ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
- クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪
- 武豊×ドウデュース完全包囲網で波乱含み!?豪華メンバーのジャパンCにチェルヴィニア、ブローザホーン、オーギュストロダンら最強メンバー集結。レジェンド元JRA騎手の見解は?
- 「別競技」の高速馬場で欧州最強マイラーの意地見せたチャリン!ジャパンC参戦オーギュストロダン、ゴリアットに朗報?
- C.ルメール「アンラッキー」な過怠金に謝罪…マイルCSでも「牝馬のC.デムーロ」の手綱冴えるか?
- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
- 【京都2歳S(G3)展望】藤田晋オーナーの大物エリキングが登場! ジョバンニ、サラコスティがリベンジに燃える
- 【ジャパンC(G1)展望】「ディープ」オーギュストロダンVS「ハーツ」ドウデュース、2005年有馬記念から19年越しの最終決戦!
- 春のG1戦線に水を差す「醜聞」続く…現役騎手の父に詐欺容疑、G1馬オーナーが逮捕
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
関連記事
JRA桜花賞(G1)「ヴィブロスみたい」福永祐一も絶賛の大器! 前走重賞勝ちも「ラスールが出てれば勝ってた」覆したい安藤勝己氏の低評価
JRAデアリングタクト世代「52戦0勝」の衝撃…日本最高・種付料1800万円エピファネイア「バブル」崩壊で、エフフォーリア復活にも暗雲
JRAゴールドシップ&タマモクロスで「阪神競馬場◎」!? 桜花賞(G1)ではなくオークス(G1)へ「元気娘」が出世レースで“切符”を狙う
JRA「しばらく顔も見ていない」武豊×幸四郎兄弟の“疎遠”露呈!? 桜花賞(G1)ウォーターナビレラで今年「絶不調」弟を救えるか
JRA桜花賞(G1)「サークルオブライフと双璧」安藤勝己氏も絶賛! プレサージュリフトに引けを取らない素質馬が絶好調男を背に勝負駆け⁉