
JRA川田将雅「理由を探っていきたい」切望の舞台でよもやの大敗! 発馬アクシデントで度外視の声も…今後のレイパパレが前途多難な理由とは

15日、東京競馬場でヴィクトリアマイル(G1)が行われ、吉田隼人騎手騎乗の4番人気ソダシが圧巻の走りで優勝。芝の舞台で再びG1タイトルを手にした。
今回は、1年ぶりのレースとなる無敗の三冠牝馬デアリングタクトが復帰戦に選択したことで、現時点では牝馬のベストメンバーに近い顔ぶれが揃った。そしてレースも白毛馬ソダシが見事な走りで勝利を収め、レース前後で大いに盛り上がりを見せた。
一方で、痛恨とも言える大敗を喫してしまったのが、約2年ぶりとなるマイル戦に参戦したレイパパレ(牝5、栗東・高野友和厩舎)だろう。
同馬は、近走2000m以上のレースを中心に使われ、その前進気勢の強い気性を、主戦の川田将雅騎手が何とか制御しながら善戦を続けてきた。しかし、なかなか勝ち切ることは出来ずに昨年の大阪杯(G1)から1年以上も勝利から遠ざかっていた。
そして今回、以前から待望論のあった距離短縮でのヴィクトリアマイルへの参戦を表明。さらにレース前の会見では川田騎手が「ずっと切望していた1600mをやっと走れると。常に我慢を求めないといけない競馬が続いていましたから。1600mで彼女がどういう競馬が出来るのか、とても楽しみです」とコメント。普段あまり多くを語らない騎手が、大きな期待を口にしたことで周囲の期待も一気に高まった。
しかし、レースでは好位外目でレースを進めるも、直線では見せ場なく馬群に沈み12着と大敗。スタート直後に躓くアクシデントがあったとは言え、その後はスムーズなリカバリーですぐさま好位につけられており、展開も逃げた18番人気のローザノワールが4着に残った前有利の流れを考えると、さすがに負け過ぎの感がある。
今後のレイパパレが前途多難な理由とは
ネットの掲示板やSNSなどでは、「今回はアクシデントもあり度外視でもよいのでは」といった同情的なコメントも見られる。ただ、レイパパレの実力からすると、あまりにもあっけない失速には、距離も含めて別の敗因が有ることも十分に考えられそうだ。

また、騎乗した川田騎手はレース後「こういう結果になって申し訳なく思います。改めてこういう走りになった理由を探っていきたいと思います」とコメント。敗因については明言せず含みを持たせた。
いずれにせよ今回の敗戦で、今後のレース選択が難しくなっただろう。
距離短縮でレイパパレが輝きを取り戻す事に期待して、陣営が今回の参戦を決断した一方で、長らく中距離で我慢を覚えさせながら走ってきた馬を、今回結果が伴わなかったからと言って再び中距離路線に戻すのは、折り合い面でかなり難渋することも予想される。陣営も今回の参戦がある意味で諸刃の剣であるのは承知の上での決断だっただろうが、ここまでの大敗は予想外だったのではないか。
管理する高野調教師はレース後に、「スタートで躓いた事でリカバリーが必要となり、そこで心身のバランスが崩れた」とアクシデントの影響は指摘しつつも、「マイルに関しては合っているとは思うが、結果が出なかったので強く言い辛い」とコメント。マイル適性に関する考えは継続しながらも、やや戸惑いも感じられる様子を見せた。
今回思わぬ敗戦で、レイパパレは今後の進路レース選択では苦しい状況に追い込まれたといっていいだろう。もう一度適性を信じてマイルに挑戦するのか。あるいは大阪杯を制した実績ある中距離に再度活路を見出すのか。今後の進路に注目が集まる。
(文=椎名佳祐)
<著者プロフィール>
ディープインパクトの菊花賞を現地観戦し競馬にのめり込む。馬券はアドマイヤジャパン単勝勝負で直線は卒倒した。平日は地方、週末は中央競馬と競馬漬けの日々を送る。
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