JRA【ユニコーンS(G3)予想】武豊ジュタロウは文句なしの消し! 好配当呼び込む「穴馬」は出世が見込める実力馬
今回は数少ない3歳限定のダート重賞、ユニコーンS(G3)を予想していく。
先週だが、まずエプソムC(G3)は◎を打ったノースブリッジが見事1着で、3着にも印を打ったダーリントンホールが来てくれたまでは良かったが、2着が想定外のガロアクリーク。ローテーション的にはアリだったが、さすがに負けが込みすぎていて手を出せなかった。2走前の中山記念(G2)4着をもっと重く見るべきだったか。
一方、函館スプリントS(G3)も◎ナムラクレア、△ジュビリーヘッドのワンツーまでは良かったが、3着がまさかのタイセイアベニール。ローテーションで切ったのだが、改めて見直せばそう悪くない成績。こちらも安易に切ってしまうのは御法度ということか。
さて、予想に戻ろう。
まずは過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見てみる。
青竜S(OP) 8頭
条件戦(1勝クラス) 6頭
兵庫チャンピオンS、伏竜S(OP)、端午S(OP)、鳳雛S(OP) 各3頭
NHKマイルC、昇竜S(OP)、ヒヤシンスS(L)、三浦特別(2勝クラス)、海外遠征 各1頭
となっている。NHKマイルC(G1)からの転戦が例外中の例外で、この1頭を除くすべてが前走もダート戦を走っている。3歳で走れるダート重賞がここまでないので、交流重賞の兵庫チャンピオンS(G2)を除くと多くはオープン特別からの転戦となる。
続いて人気順の成績を見ていこう。
1番人気 3-2-0-5
2番人気 3-2-0-5
3番人気 3-2-4-1
4~6番人気 0-2-1-27
7~9番人気 1-1-4-24
10番人気以下 0-1-2-63
となっている。1番人気と2番人気は同数同率でぼちぼちといったところ。3番人気の複勝率が9割と非常に高いので、軸を買うならここか。例年上位人気3頭のいずれかが必ず馬券に絡んでおり、基本はヒモ荒れする傾向。昨年は7番人気、14番人気のワンツーで79万馬券が出ているが、それでも3着は3番人気だったので、穴馬オンリーの組み合わせはリスキーだろう。
これを踏まえて人気の一角ではあるが「◎」は1番ハセドンとする。
前走は青竜S。スタートで出遅れ、最後方からの競馬を進めたが、直線大外から上がり最速の脚を使ってまとめて差し切り勝利した。
昨年秋にダノンベルーガと同じレースでデビューし、6着とあっさり敗退。そこで芝にこだわらずダートに転向すると未勝利、1勝クラス、そして前走と3連勝でここに臨んできている。この臨戦過程は高く評価でき、稍重で脚抜きが良かったとは言え、前走の走破時計もなかなかのもの。
重賞経験がないものの、そもそも3歳限定で組まれたダート重賞はここが初で、交流重賞を使っていなかっただけの話。大きなビハインドにはならないだろう。連勝の勢いで一気に重賞制覇まで見える。
「○」はちょっと穴っぽいところで11番ヴァルツァーシャルを推す。
こちらも前走は青竜Sで、後方待機からの直線でよく伸びては来たのだが、4着に終わった。
新馬戦を勝ち上がって1勝クラス脱出に3戦を要したものの、3着2回からの勝利と悪い内容ではない。そこからの前走だったが4着とは言え、上がり2番目の脚を使っており、着差もわずか0.2秒。十分好走したと言えよう。
今後のキャリアを考えると、東京コースしか走っていないのはマイナスに作用するかもしれないが、少なくともこのレースに限っていえばプラス。前走の負けで評価が下がっているのだろうが、見限るには惜しい。
「▲」も穴っぽいところで2番セキフウを挙げる。
前走はUAEダービー(G2)で、そこそこ人気になってはいたが8着と大敗している。
この馬もデビュー戦で芝を使われたものの大敗したので、早々に見切りを付けてダートへ転向して結果が出たタイプ。未勝利2戦目で勝ち上がると1勝クラス、兵庫ジュニアGP(G2)と3連勝で重賞制覇まで成し遂げている。全日本2歳優駿(G1)では相手も揃って4着までだったが、実力は一線級であることを示せたであろう。
ここからのサウジダービー(G3)2着で、メンバーが強力だったわけではないかもしれないが、海外でも通用することは証明しただろう。前走についてはこのサウジダービー2着から1カ月で別の国でのレースということもあって、環境が堪えたとも考えられる。
海外遠征帰りの馬に好走実績はほぼないのだが、そもそもサウジやドバイへ遠征するようになったのはここ数年の話。ローテーション実績を求めるのはいささか酷だと思うので、ここまでの実績と、鞍上が実はこのレースと相性がいいこともあり、その辺を加味して押さえたい。
「△」は3番コンバスチョンと7番リメイク、12番バトルクライの3頭とする。
コンバスチョンの前走もUAEダービーで、1番人気を背負ったものの見せ場なしの11着に大敗している。
新馬戦からダートを使われ、兵庫ジュニアGPと全日本2歳優駿をそれぞれ2着するなど、こちらも実力の高さを披露している。海外遠征前にヒヤシンスSを勝っており、戦績自体は▲セキフウと引けを取らない。
前走が負けすぎの感があり、こちらを下に見ているが、陣営からは砂質が合わなかったことや展開のアヤであったとコメントがあり、帰国後の状態も上々ということで押さえる。
リメイクの前走は端午S。中団から直線で抜け出し完勝している。
この馬はダートデビューで新馬戦を勝ち、1勝クラスの脱出でやや足踏みしたが、勝ち上がると、そのままOP特別連勝で目下3連勝中の上がり馬。デビューからなぜか1400m戦だけを使われてきているが、余裕のある勝ち方をしているので1ハロンの延長も問題ないだろう。
当然のように人気になるだろうが、それでも押さえるべき1頭だと見ている。
バトルクライの前走は青竜S。直線よく追い上げてきたが、届かず3着だった。
こちらは芝でデビューして4着とそれなりに走ったせいもあって、そこから3戦芝を使って勝てないままダートに転向して結果を出したタイプ。芝で足掻いた分だけ使われてしまっているハンデはあるが、2走前の端午Sで着外に負けている以外は馬券に絡んでおり、堅実に走る印象。前走もスタートで不利を受けており、それがなければということが言える。陣営は前走の走りを高く評価しており、デキの良さをアピールしているので、素直に乗ってみたい。
人気どころでは中心視されている6番ジュタロウと10番インダストリアを切り。
ジュタロウの前走は条件戦で、番手から抜け出し後続を4馬身離しての圧勝だった。さらに足抜きのいい重馬場だったとは言え、芝と同レベルの好タイムをマークしている。
この前走の勝ちっぷりと、新馬戦で2着に2.4秒差という大差を付けて大楽勝した印象が強く残っているため、人気するのも当然かも知れない。
ただ、2戦目の1勝クラスがいただけない。2着と連対は果たしているものの、勝った馬はこの後若葉S(L)を勝ったデシエルト。皐月賞(G1)、日本ダービー(G1)ともに大敗したが出走している、いわばクラシック候補生に主戦場のダートで負けているのだ。
さらに3走目は9着で着差も1.4秒と言い訳ができない負けっぷり。負けた2戦は後方からの競馬で、それが原因だったと言えなくはない。ただ、どちらも出遅れたわけではなく、鞍上のリードに乗っかった結果だ。そう考えると武豊騎手が継続騎乗している以上、ここでまた後方待機策を採って取りこぼす可能性は十分ある。4戦とも大楽勝で無敗のままここに臨んできた、というなら文句なしに買いだが、問題のある負け方をしているので、安直に人気だからと言って乗っかることはできない。
インダストリアは前走NHKマイルCで、2番人気に推されながらも期待を裏切る5着に終わっている。
この馬はデビュー以来芝のレースしか使ってきていない。では芝で結果が出なかったのでダートへ転向かと言えばそうでもなさそうだ。新馬戦こそ2着だったが未勝利とリステッドを連勝し、弥生賞(G2)でも5着と入着は果たしている。そこからの前走ということで、芝での活躍が期待され、それなりの実績は残してきた馬なのだ。
おそらくは選択肢を広げるため、芝スタートで芝馬でも入りやすいということで、東京のダート1600m戦を選んできたのだと思うが、いかんせんダートで好走できる裏付けがなさすぎる。リオンディーズ産駒はダートでも勝ち星をそれなりに稼いでいるが、蓋を開ければ下級条件ばかり。この馬の母系にいたっては完全に芝向きで、近親に重賞勝ち馬が並ぶ。
血統面でもダートで好走できる要素がないので、ここは切りが正解だろう。
ということで、今回は1番、2番、3番、7番、11番、12番の6頭で3連複BOX20点勝負とする。
人気している馬を押さえているため、並びによっては配当も大したことがない可能性はあるが、印の通りに来れば意外な好配当に巡り会う可能性も十分ある。
(文=トーラス神田)
<著者プロフィール>
オグリ引退の有馬記念をリアルタイムで見ている30年来の競馬好き。ウマ娘キャラがドンピシャの世代。競馬にロマンを求め、良血馬にとことん目がない。おかげで過去散々な目に遭っている。そのくせ馬券は完全データ派。座右の銘は「トリガミでも勝ちは勝ち」。
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