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藤田菜七子「栗東滞在」は逆効果だった!? 「騎手人生」懸けた勝負の2か月へ

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藤田菜七子騎手 撮影:Ruriko.I

 7年目を迎えた藤田菜七子騎手が長く苦しい時間を過ごしている。

 今年の日本ダービー(G1)の前日である5月28日以降、106戦1勝――-。久々のJRA女性騎手として2016年にデビューした藤田騎手。1年目こそ6勝に終わったが、2年目以降は14勝、27勝、43勝と着実に勝ち鞍を伸ばしていた。

 アクシデントに見舞われたのは5年目の20年だった。その年は1月から1か月半で7勝を挙げるなど、前年を上回る活躍。だが、2月中旬の小倉で落馬し、左鎖骨を骨折。患部を固定するためのプレートを鎖骨に埋め込む手術を行った。

 騎手生活で初めてといっていい試練に見舞われた藤田騎手は、長期離脱も心配されたが、わずか5週間後には戦列に復帰。その約1か月後に節目の通算100勝をマークするなど、負傷後も順調そのものに見えた。

 ところが、落馬の“後遺症”はやはり皆無ではなかったか。以前のような思い切った騎乗は減り、5年目の20年は騎手生活で初めて前年を下回る35勝に終わってしまう。

 V字回復を誓った翌21年は前年からさらに勝ち鞍は減少し、2年目と同じ14勝と低迷した。そして今年は10月1週目を終えた時点でわずか5勝と、1年目以来の1桁勝利も現実味を帯びている。

 そんな藤田騎手は、今年3月上旬から約3か月間にわたって栗東に滞在。関西の調教師や厩舎関係者と新たな関係を築くことでスランプからの脱却を図ろうとした。

 滞在当初はなかなか結果を出せなかった藤田騎手だったが、滞在3か月目の5月には関西馬に騎乗して3週連続勝利。“栗東滞在”の効果が目に見える形で現れた。

 復調の兆しを見せた藤田騎手は、当初の予定を延ばして6月いっぱいまで栗東に滞在を選択。7月に拠点を美浦に戻し、夏のローカルで完全復活を印象付けたかったのだが……。

「栗東滞在」は逆効果だった!?

「7月以降は1勝しか挙げられていないんですよね……。5月に3週連続で勝利したときは、いよいよ反撃開始かと思われたのですが、その後は低空飛行が続いています。

特に9月に入って2場開催が始まると、乗り鞍もかなり減ってしまいました。関係を強化したはずの栗東厩舎からの騎乗依頼も限られています。(関西からの)遠征馬が少ない福島開催はともかく、新潟開催でも栗東厩舎からの騎乗依頼はほぼ序盤だけでした。

8月中旬以降は元々関係があった美浦厩舎からの依頼がほとんどで、元の鞘に戻った感は否めません」(競馬誌ライター)

 今年は1月から5月まで毎月30鞍以上の騎乗数を確保していた藤田騎手だが、栗東滞在の終盤にあたる6月以降は一度も月間30鞍に届いていない。

 つまり、3か月間にわたる栗東滞在の効果は限定的で、むしろそれまで存在した美浦の各厩舎との関係性がやや弱まってしまったといえなくもない。

 秋の2場開催は先週末でひとまず終了。今週末からは待望の3場開催が再開する。まずは3週にわたる新潟開催で栗東の厩舎からいったいどれくらいの騎乗依頼が届いているのか。そして、その後は3週にわたる福島開催、そして12月には中京開催もある。

 藤田騎手にとっては、今後の騎手人生を左右する非常に重要な2か月間となりそうだ。

中川大河

中川大河

競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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