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武豊も愛した「名優」と重なるルーツ、ステイヤーに拘る名門の「隠し玉」が菊花賞へ

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武豊も愛した「名優」と重なるルーツ、ステイヤーに拘る名門の「隠し玉」が菊花賞への画像1

 23日に阪神競馬場で行われる菊花賞(G1)。3歳馬にとっては未知数ともいえる3000mもの長丁場を競うことから、古くから菊花賞は「最も強い馬が勝つ」と言われてきた。

 この“強さ”を証明するには競走馬としてのスピードはもちろん、2度の坂越えをものともしない相応のスタミナが求められることは間違いない。

 近年では長距離レースの減少や馬場の高速化も相まって、競走馬の生産や育成においてもスピード能力に主眼が置かれている印象を受ける。だが過去には、スピードとスタミナを兼ね備えた真の「強い馬」を育でることに心血を注いだ生産者もいた。

 その最たる例がメジロ牧場ではないだろうか。

日本競馬史に残る大偉業 天皇賞父子3代制覇

 メジロ牧場は数多くのビッグレースの中でも天皇賞に強い拘りを持っていたことで知られており、実際に長距離のレースで活躍する馬を多数輩出してきた。その象徴ともいえるのがメジロアサマ、メジロティターン、メジロマックイーンの天皇賞父子3代制覇であり、これは日本競馬史に残る大偉業として語り継がれている。

 この3頭のうちメジロアサマ、メジロティターンが制したのは天皇賞・秋(G1)であるが、このレースが現在のように2000mの条件で施行されるようになったのは1984年以降のことである。この2頭が制したのはそれ以前の3200mで行われていた時代のことであり、メジロ牧場生産馬のステイヤーとしての能力の高さを示しているといえるだろう。

 この「強い」父系の血を受けたメジロマックイーンは、武豊を背に天皇賞・春(G1)で連覇を達成。G1・4勝を含む重賞9勝の戦績はメジロ牧場の最高傑作と呼ぶに相応しいものであり、引退後間もなくJRA顕彰馬にも選出されている。

「強い馬」の生産・育成に拘りをもっていたメジロ牧場。通算19のG1タイトルを獲得し(グレード制導入以降)、先述の3頭以外にも数多くの名馬を昭和後期~平成初期にかけて輩出してきた。

 メジロ牧場は2011年に惜しまれつつ解散をしたものの、その後はレイクヴィラファームと名前を変えて繁殖牝馬等も引き継ぎ、現在でもかつてと同じ北海道・洞爺湖町にて競走馬の生産を行っているが、実はこのレイクヴィラファームの生産馬が、今週末の菊花賞にも出走することとなっている。

 その馬こそ、シホノスペランツァ(牡3歳、栗東・寺島良厩舎)である。

 シホノスペランツァはデビュー2戦目で初勝利を挙げたものの、その後は伸び悩み中々勝ち星を挙げることができずにいた。一時はダートのレースに出走したこともあり、陣営としても同馬の力を引き出すために試行錯誤をしていた様子が戦績から伺える。

 夏季の休養を挟んで迎えた9月には、自己条件の1勝クラスにて小倉2600mの長距離へと挑戦。ここでシホノスペランツァは今までの苦心が嘘であったかのように、後続に3馬身半もの差をつける快勝をみせた。今回は8分の3の抽選を乗り越えて、菊花賞の舞台へと漕ぎつけている。

 かつてステイヤーを育て上げることに執心した「メジロ」にルーツを持っていることを踏まえれば、シホノスペランツァが長距離戦で突如として好走を果たしたことは、オールドファンにとっても嬉しいニュースに違いない。管理する寺島師が「スタミナがあるし長距離はこなせると思う」と語るように、更に距離延長となる菊花賞でその才能が開花する可能性もあるかもしれない。

「メジロ」に縁ある馬が菊花賞の舞台へと辿り着いたことは、往年の競馬ファンにとっても感慨深いことではないだろうか。今年の菊花賞は大本命不在の混戦模様であることを考えれば、シホノスペランツァに一発のチャンスがあっても不思議ではない。

 メジロ牧場が生んだ往年の名ステイヤーたちに思いを馳せつつ、シホノスペランツァの激走に期待したい。

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