【ファンタジーS（G3）予想】今村聖奈ミカッテヨンデイイは黙って切り！

　今回は近4年でダノンファンタジー、レシステンシアの両G1馬やメイケイエール、ウォーターナビレラ、ナムラクレアなど活躍馬を送り出している出世レース、ファンタジーS（G3）を予想していく。

　例によって過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていく。昨年、一昨年は今年と同じく阪神1400mでの開催だが、大きく差はないようなのでまとめて掲載する。
未勝利戦　7頭
新馬戦　6頭
小倉2歳S　4頭
デイリー杯2歳S、新潟2歳S、ききょうS（OP）、サフラン賞（1勝クラス）、りんどう賞（1勝クラス）　各2頭
函館2歳S、中京2歳S（OP）、クローバー賞（OP）　各1頭
同日開催の京王杯2歳S（G2）に比べてこちらは未勝利と新馬戦からの臨戦が半数近い。案外キャリアの浅い馬でも通用するレースのようだ。とは言え、前走重賞組も9頭いるのでキャリアを積んだ馬とキャリアの浅い馬の力関係を吟味する必要はありそうだ。

　続いて人気順の成績を見てみる。
1番人気　3-3-2-2
2番人気　2-0-1-7
3番人気　0-1-3-6
4～6番人気　4-3-2-21
7～9番人気　0-2-0-28
10番人気以下　1-1-2-35
となっている。1番人気は信用していい数字だ。近5年でもすべて馬券に絡んでおり、雰囲気で人気しているような馬でなければ軸候補だろう。2番人気、3番人気はアテにしづらく、昨年こそ上位人気で決着しているが、過去データではどちらかあるいは両方が飛んだ代わりに中穴馬が絡んでくる傾向がある。数字でも分かる通り、上位人気馬よりも中穴馬から探す方が良さそうだ。

　これを踏まえて「◎」は大本線になりそうだが11番アロマデローサとする。

　前走はききょうS。中団を進む競馬で馬群の中から脚を伸ばし、直線の追い比べを制してレコード勝ち。

　デビュー戦は1200mで前走は1ハロン延びているが余裕のある勝ち方で、走破タイムも2歳馬としては優秀。ききょうSはローテーション的にも実績があり、2戦続けての好位差しによる勝利はセンスを感じさせる。

　加えて名前である程度察しはつくのだが、今や復権の途中にあり勢いを取り戻しつつある「バラ一族」に連なる馬であることも推しポイントだ。秋華賞馬スタニングローズとは3代母を同じくしているほか、同じ2歳で3戦2勝のオープン馬チャンスザローゼスの2代母は本馬の3代母と同じ。今、活気のある名牝ローザネイから連なる血脈は、ここでも花開くのではないかと考えている。予想としては実に平凡だが、1番人気の手堅い傾向も含めて素直に乗っておきたい。

「○」は打って変わって穴っぽいところで9番サラサハウプリティを挙げる。

　前走はサフラン賞。出遅れて控える競馬に。直線で外から脚を伸ばして前の馬を交わしたが、逃げ馬を捉えきれず2着に終わった。

　前走はまんまと勝ち馬に逃げ切りを許してしまったが、実力負けというよりはスタートで後手を踏んだ結果がすべて。3馬身差の完敗であったが、度外視してもいいだろう。また走破タイムも平凡なものだが、昨年の勝ち馬ウォーターナビレラのタイムより速い。

　ローテーション的にもやはり好走実績があるので、人気がないのであれば逆に押さえておく方が美味しいと考えて対抗とした。

「▲」はまたも人気サイドだが10番バレリーナを推す。

　前走は小倉2歳S（G3）。逃げ馬が作った速い流れの中、中団に控えて直線から前にいた馬を外から捉えたものの、さらに後ろから一気に差し切られ2着に終わった。

　前走については勝ち馬の力が一枚上手だったようだが、この馬の真価は新馬戦の逃げ切り楽勝にあると見ている。この時は先手を取って道中も離した逃げを打ち、直線で後続をシャットアウトして3馬身半差をつける勝利だった。

　ローテーションでも小倉2歳S組は好走例が多いのだが、このレースは前にいる馬が結構残る傾向にあり、逃げ切り勝ちや4コーナー番手からの押し切り勝ちも多い。新馬戦で逃げた馬は今回のメンバーでも数頭いるのだが、中でもこの馬は出色の勝ち方をしている。前走重賞連対ということも鑑みて、逃げても前目でも差してもいい自在性を買って押さえてみたい。

「△」は穴馬2頭、1番サツマノオンナと4番トゥーテイルズを挙げる。

　サツマノオンナの前走はききょうSで、中団後ろ目からの追走だったが直線で伸びきれず8着に終わっている。

　地味に新馬、オープンと連勝している1頭。特に新馬戦は先手を取ってレースを作り、直線では後続を6馬身ちぎる圧勝を演じている。ただ、惜しむらくはどちらも九州産馬限定レースだった。

　だが、走破タイムだけ見れば同条件の新馬戦を走った◎アロマデローサより勝ち時計が速く、能力値自体はそう大差ないと考えられる。▲バレリーナを「逃げ残るなら」と指名したが、この馬も逃げる競馬をするなら最内枠を引いたこともあり▲以上に残る可能性はある。九州産馬ということで割り引きはしたが可能性はあると見ている。

　トゥーテイルズの前走はりんどう賞で、後ろから競馬を進めたが直線で伸びず4着に終わった。

　新馬戦では札幌2歳S（G3）で3着に入った評判馬ダイヤモンドハンズの6着と完敗。前走は6頭立ての4着と一応掲示板には載ったが、お世辞にも褒められた着順ではない。

　未勝利戦は3番手から外を上がって叩き合いになったが、ゴール前でクビ差退けて勝利する見どころのある勝ち方をした。だが、これも鞍上が今村聖奈騎手と減量特典が4kgついての勝利と言えなくもない。

　ではなぜに押さえるのかと言えば、その血統背景だ。パッと見た目には地味だが、叔父に先日引退が発表されたダービー馬マカヒキのいる良血。母も重賞2勝を挙げている活躍馬だけに潜在的なポテンシャルはあると考えられる。鞍上もここ2戦で騎乗した今村騎手に替わりC.デムーロ騎手に強化されたことも推しておきたいポイント。一発に期待したい。

　人気サイドでは5番ブトンドールと、2番ミカッテヨンデイイの2頭を切り。

　ブトンドールは前走函館2歳S（G3）で豪快な差し切り勝ちを収めて連勝中。メンバー中唯一の重賞勝ち馬だが、勝った2戦がいずれも函館でかつどちらも稍重。時計がかかる状態でしか走っていないことが引っかかる。例年、驚くような高速決着はしていないのだが、それでもファンタジーSが持ち時計のある馬に有利なのは確かだ。

　実力上位と見られるので、来ればあっさりの可能性はある。だが、ここは時計勝負になったときのリスクを考えて消しておきたい。

　ミカッテヨンデイイの前走は小倉2歳Sで、後方待機策を採ったものの直線で伸びず10着に大敗している。

　こちらは新馬、未勝利と勝ち上がれずオープンのフェニックス賞に格上挑戦して初勝利を挙げた。この時の勝ちタイムが1分7秒7と軽い小倉の馬場だったとは言え、タイムだけ見れば重賞級。それ故に小倉2歳Sの予想では3番手評価をしたのだが惨敗している。

　潜在的なポテンシャルはあるのかも知れないが、前走があまりにも負けすぎで、おそらくいろいろ噛み合わないと好走が難しい馬と見ている。前走の結果の割に鞍上が今村騎手ということもあって人気しそうであり、旨みがないのでここは切りとしたい。

　ということで今回は1番、4番、9番、10番、11番の5頭で3連複BOX10点勝負としたい。本命を素直に人気サイドとしているが、走りそうな人気薄を指名したので、これらが来れば意外な好配当にありつけるのではないか。