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武豊、C.ルメールさえ「NG」の過去も…関係者を悩ませたオーナーの鶴の一声

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原優介騎手

 11日に行われた阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)は、1番人気に推されたリバティアイランドが2着に2馬身半の差をつけて圧勝。前走のアルテミスS(G3)でラヴェルに不覚を取ったが、終わってみれば抜けた存在だったことを証明した。

 勝ち馬の強さばかりが目立ったものの、掲示板を確保する5着に健闘したのがミシシッピテソーロ(牝2、美浦・畠山吉宏厩舎)だ。1番人気リバティアイランドに対し、こちらは18頭立てのレースで16番人気という超人気薄。単勝221.7倍のオッズから分かるように、ほぼノーマークの扱いだった。

 ファンの大半が気にも留めていなかった大穴で好結果を残したのは、デビュー3年目の若手・原優介騎手である。道中は人気のリバティアイランドを見る形で運んで、最後の直線でも離されないように必死に追っている姿も確認できた。自身初となるG1の舞台で冷静な手綱捌きを見せたことで関係者からの評価も上がっただろう。

「勝ち馬の後ろでスムーズな競馬ができました。これだけのメンバーを相手に5着と走れたことで、この先が楽しみになる手応えは掴めました」

 レースを振り返った原騎手も好感触を掴み、G1を前に調教を強化してギリギリまで仕上げた陣営の期待にミシシッピテソーロも応えてくれた。

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木幡巧也騎手 撮影:Ruriko.I

「ただ、聞くところによると今回の原騎手への騎乗依頼はレースの1週前に急遽決まったらしいです。デビューから3戦続けて木幡巧也騎手が騎乗していたのですが、オーナーの意向で乗り替わりが決定しました。

阪神JFは登録馬が多く、同日に香港国際競走があった関係で体の空いていたトップクラスのジョッキーも不在。そこで、他場の騎乗予定を切り替えられそうな原騎手に白羽の矢が立ったようですよ」(競馬記者)

 結果的に16番人気で5着と大健闘したのだから、原騎手に対するオーナーからの評価もうなぎ上りとなったはずだ。若手の原騎手にとっても、バックアップしてくれているオーナーの馬で結果を残せたことは大きい。

関係者を悩ませたオーナーの鶴の一声…

 その一方で、今後の両者の関係を危惧する声も一部の記者から出ていたという。

「どちらかというとワンマンオーナーという感じで、これまで何人もの騎手がNGになった過去もあるんです。今回の乗り替わりにしても、以前より前任者の木幡巧騎手への不満を抱いていたのが理由らしく、ミシシッピテソーロがアルテミスSに出走する時も水面下で乗り替わりの意向を厩舎サイドに伝えていたみたい。

このときは2戦2勝の木幡巧騎手に、これといった落ち度はないということで畠山調教師も何とか説得に成功したのですが、アルテミスSの惨敗で降板を避けられなくなってしまいました」(同)

 過去に吉田隼人騎手や武豊騎手、C.ルメール騎手ですらNGを出したという話もあっただけではなく、調教師との関係でも転厩が日常茶飯事というのだから、現場サイドとしてもオーナーからの「鶴の一声」に戦々恐々としていることだろう。

 好騎乗を見せた原騎手への騎乗依頼が増えると思われるが、彼はまだまだ若手騎手。何がきっかけで逆鱗に触れるかわからないオーナーだけに、先人たちと同じく蜜月関係が突然終了する可能性もありそうだ。

高城陽

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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