JRA「中山の王へ」ジェネラーレウーノがフィエールマン完封!? 中山重賞2勝の中身と「成長」が……

20日にAJCC(G2)が開催される。昨年の菊花賞馬フィエールマンが八分程度のデキで臨んでくるのは明らか。ならばジェネラーレウーノ(牡4歳、美浦・矢野英一厩舎)で勝てるといった下馬評も見られるようだ。ジェネラーレウーノは本当に優勝できるのか。検討してみよう。
ジェネラーレウーノは中山コースを滅法得意にしている。4戦3勝、3着1回。昨年1月の京成杯(G3、芝2000メートル)と9月のセントライト記念(G2、芝2200メートル)という2つの重賞を勝った。3着が一度あるが、それは皐月賞(G1、芝2000メートル)での成績。皐月賞はアイトーン、ジュンヴァルロと共に3頭で先行、後続を離してハイペースで逃げる厳しい展開。3着に残したのは高い能力の証明だ。
皐月賞の戦前、陣営は「この馬はまだ本気で走ったことがない」と語っていた。新馬戦(芝1800メートル)は1番人気で3着。矢野調教師は「ゲートが開いたらフワついて自分から走る気を出しませんでした」とコメントしている。主戦の田辺騎手は逃げて勝った葉牡丹賞(500万下、芝2000メートル)については「真面目に走らなすぎて…」、重賞初制覇となった京成杯については「調教ではやらなかったのに、ソラを使いました」と言っていた。
皐月賞後、田辺騎手は「気分よく行かせたかったのであのポジションをキープした。力まず走れていたし、よく踏ん張っている」とコメント。3頭並んでの先行がやる気を出させたのだろう。日本ダービー(G1、芝2400メートル)ではパドックから入れ込み、レースでもかかってしまう。気分良く走れずに16着の惨敗。気性面の問題が解消されていないことを露呈してしまった。
菊花賞で陣営は逃げ宣言を出す。気性面については視野をさえぎる馬具などの工夫もした。陣営は「当初フワフワしたり、精神的な課題はあったのですが、それもどんどん改善されてきている」と成長を強調。レースでは宣言通り逃げたが、あまりにスローすぎた。エタリオウなどの後続に4角手前から追い上げられて9着に沈む。先行できるスピードととスタミナは豊富だが、瞬発力勝負になってしまうと脆い。
このAJCCでは菊花賞の敗北は度外視していい。京都コースは田辺騎手にとって不慣れでもあった(田辺騎手の昨年の京都実績は【0・1・0・7】)。日本ダービー16着から臨んだ中山のセントライト記念では、見事に巻き返しに成功。得意の中山コースでの好走を核心している人も多いだろう。
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