パチンコ業界に「新たな道」を開いた名機たち…

 先日はパチンコ業界初のタイアップ機について述べたが、今回はタイアップ機の地位を大きく向上させたと言われるマシンをいくつか取り上げてみたい。

 1992年から始まったタイアップ機の歴史だが、完全オリジナル機一辺倒だった遊技機メーカーはタイアップ機の開発に苦心する。 

 今でこそ実に遊技機の8割ほどが何らかのタイアップ機だが、当時はまだこれといったヒット機種がなく、開発にも積極的なメーカーはまだまだ少なかった。版権取得にかかる費用は決して安くはない。それも足踏みをさせた理由のひとつだったのかもしれないが…。 

 大手メーカー平和が送り出した1つのマシンにより、その評価は一変する。それが1998年にリリースされた『CRルパン三世』。いわゆる初代ルパンとも呼ばれる機種だ。

 これがパチンコとは縁のないアニメファンの囲い込みにも成功し、20万台を超える大ヒットとなった。このルパンのヒットがパチンコ業界に与えた影響は非常に大きく、結果的に他メーカーもルパンに追随するべくタイアップ機の開発に躍起になっていったのだった。

 当然であるがルパンのヒットは決して版権頼みではなく、液晶演出も非常に優れていたことは言うまでもない。アニメの登場キャラクター達が、それぞれのスーパーリーチで活躍するという「王道パターン」も、ここから生まれたと言われている。

 その後2000年代に入ってからのタイアップ機開発競争は、激しさを増していくことになる。そして2004年、ビスティ『CR新世紀エヴァンゲリオン』の登場によりタイアップ機は新たなステージへ進んだ。

「代表的なタイアップ機は?」との問いに、必ず名前が上がる筆頭候補『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズ。エヴァもルパン同様に、パチンコユーザー以外からの層を幅広く取り込むことに成功したと言われているのは当然だろう。

 観客動員数約670万人、興行収入100億円を突破した『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の記録的大ヒットも記憶に新しいところだが、パチンコ業界なくしてはこの偉業もなかったと語る関係者も存在する。

 パチンコ業界はエヴァという『ロンギヌスの槍』を得たことにより、タイアップ機の地位を不動のものとしたという印象。エヴァもパチンコとのタイアップにより、更なる人気を得たこと言っても過言ではないだろう。正に二人三脚で共に歩んできた道と表現できる。

 それ以降アニメと遊技機の相性は非常に良くなったと感じる。もはや定番中の定番だ。何せ今まで一番多く遊技機とタイアップ化されているのが、アニメものなのである。

 タレントなどのいわゆる有名人たちやゲームタイトルも多く題材にされているが、絶対的な大ヒット機となるとアニメとのタイアップに一日の長がある。今後も人気アニメとのタイアップを勝ち取ることは、非常に重要になっていきそうだ。

 何年か前にはある遊技機メーカーが版権詐欺に合うという事件もあったが、今後もライセンス獲得への熾烈な争いは激しさを増していくのかもしれない。

(文=オーハナB)
<著者プロフィール>
元ホール店員、店長経験者。パチンコ店の裏側で起きた出来事や、人間関係を題材にしたコラムを担当している。過去に話題になった業界ネタなど、時代背景を感じる記事も作成中。自身の思い入れのあるシリーズの動向にも熱い視線を注ぐ。

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