パチンコ業界「誠意と努力」が報われた印象!? 巻き返しに高まる期待…2021年業界ニュース振り返り

 10月以降は状況が急速に落ち着きを取り戻したとはいえ、2021年もやはり新型コロナウイルスの年であった。特に新規感染者数が最大となる5900人にまで達したいわゆる「第5波」では、医療の逼迫など危機的な状況に陥った。

 当然、パチンコ業界にも引き続き大きな影響を与えた。「コロナ離反客」などと呼ばれる営業面でのダメージはいくら安全性を訴えても難しいものがある。もちろん、「感染」といった直接的な原因だけでなく、仕事や収入面の問題から離れていったファンもいるだろう。

 全日遊連の加盟店舗数は減少の一途をたどり、2021年10月末で7718店となった。2019年に1万店舗を割り込むと減少傾向は明らかであったが、コロナによってその勢いが加速され、一挙に減少幅が増加した印象もある。実際に実生活で、閉鎖された、あるいは取り壊されているホールをここ数年でよく目撃するようになった。

 コロナの影響といえば、パチンコに関連するイベントはオンラインが主流となり、インターネットによる配信の形を取るようになった。毎年恒例となっている「花慶の日」などは夏と秋の2回開催で50万を超える視聴数の大盛況。同じく日工組が主催した「みんなのパチンコフェス」では2日間で延べ124万回の視聴回数となった。

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 やはり潜在的なパチンコの魅力は店舗数の減少ほどには損なわれていないようで、経済産業省の「特定サービス動態系統調査」によればパチンコ1店舗あたりの売上高は前年同月比で1~3月77.8%、4~6月162.8%、7~9月が93.9%と回復基調にある。コロナが落ち着いた10月~12月はさらなる伸びが期待できそうである。

 10年ぶりにテレビCMが解禁されたこともあり、反撃の準備も万端。特に『Pフィーバー機動戦士ガンダムユニコーン』の大ブレイクはかつての『アクエリオン』を想起させるような流れであり、未来に明るい兆しをもたらせた。

 ただ、「遊技日本」によれば「パチンコ景気動向指数」において「10月期ではパチンコが大幅な回復をみせ先行きが好調になる見通しである」というその一方で「パチスロについては依然低迷が続く」といった懸念が持たれている。

 そのパチスロにおける問題点のひとつに旧基準機の撤去がある。11月末の時点でいまだに50万台の旧基準機パチスロ台が設置されており、当初の目標に届いていない状況。現在の設置比率は84.8%であと1ヵ月半ほどで100%を目指さなくてはならない。

 10月では今年最高値をマークしたパチスロの適合率だが全体的には低調に推移し、「潤沢な新規則のパチスロ新機種を提供できていない」というある種パチンコ・パチスロの構造的な問題も関わってくる難しい案件でもある。

 このように業界の危機に直面する現場のホールだが、コロナ禍だからこその社会貢献も成し遂げられた。それは「ワクチンの接種会場」としての活用である。大型店であれば1000人を超える人数を一挙に収容でき、適度な間隔をもって人を座らせることが可能。

 さらに、「具合が悪くなった場合でも呼び出しボタンですぐに連絡を図れる」「経過時間をデータ表示器で示せる」「最強の空調設備で多人数が集まるリスクも軽減される」と、接種会場として「理想的」とまでの意見も聞かれた。

 新型コロナウイルスが拡大した当初はスケープゴート的に批判の正面にさらされたパチンコ業界だが、コロナ禍で続けてきた誠意と努力が報われた格好か。「コロナ次第」の枕詞は継続されるところだが、上向きつつあるパチンコ業界が来年は巻き返すことができれば最高である。

(文=大森町男)

<著者プロフィール>

 羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。

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