パチンコ「魅惑の連チャン」を生み出す激熱システム…その人気に火を付けた偉大なる初代を振り返る

次の大当りが約束される「確変システム」

 長らく、パチンコにおいて大当りが連続して発生する現象、いわゆる「連チャン」は確変機能によって成立していた。そのなかでも、次の大当りが約束される「次回ループタイプ」の確変がシステムの中心に存在した。

 次の大当りが確変なのか通常なのか。これが次回ループタイプの確変システムにおける最大の関心事になる。打ち手は奇数図柄を渇望し、偶数図柄を憎むのであり、この模様をエンターテイメントに昇華させたのがバトル演出になる。

 このように、連チャンとは確変が継続するかどうかの勝負であったのだが、よりスリリングでエキサイティングな確変システムが台頭してきた。STである。確変が規定回数までしか機能しないSTは、大当りするか否かが最大の焦点であり、連チャンの重みが一段と増す。

 当初、STは次の大当りが確約される次回ループタイプの確変に慣れきっていたパチンコファンにとって容易に受けいれられるものではなかったが、その分、100%で確変に突入する安定感や継続率、出玉感を上乗せさせられるというスペック的な面においてファンの心を掴んでいった。

 また、50回転なら50回転と勝負のスパンが決定されているSTは次回ループタイプにはないスピード感を発揮できる点も魅力で、テンポよく当りと出玉が増えていくさまに心地良さを感じることができるのである。

STを定着させた名機が誕生

 こうした、ST機能におけるスリルと疾走感を伴う連チャンシステムは「RUSH」と名付けられ、一世を風靡していく。そして、その名前の由来とされるのが『CRパトラッシュ』。STやRUSHをパチンコに浸透させた立役者である。

 本機は演出面においても画期的で、液晶を搭載しない7セグ表示をメインとしたシンプルな演出ながら高い人気を獲得したのである。音やギミックの手助けは当然あったとしても、液晶とタイアップでなければパチンコではないと言わんばかりの状況で異例のヒットを飛ばすことに成功した。

 この『パトラッシュ』は2つのスペックタイプがある。ひとつは大当り確率が1/399.6のマックスタイプで、もうひとつが大当り確率1/156.4のライトミドルタイプ。フルスペックと遊びやすいタイプの2パターンを用意した戦略もはまった。前者を『RED』、後者を『GREEN』と命名し、カラーイメージによってゲーム性を容易に想像させる手腕も見事である。

 特に『GREEN』のほうは軽すぎて出玉面での魅力を損なうことなく、かといってスペック性を強調させすぎて大当り確率を重くしすぎることもない、絶妙のバランス感覚が発揮されている。だからこそ、ライトミドルタイプの『GREEN』もマックスタイプに勝るとも人気を博したのである。

 STを定着させ、RUSHの概念を生み出した歴史的名機はライトミドルでもその存在感を発揮したのである。

(文=大森町男)
<著者プロフィール>
 羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。

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