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パチスロ「伝統ある『ペガサス』の名を封印したパル工業の新シリーズ第1弾」~4号機名機伝説~ 『C51SP』前編 【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.103】

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アニマルかつみの回胴青春時代Vol.103

 阪神タイガースが21年ぶりのリーグ優勝と日本一の栄冠に輝いた1985年。新風営法の施行によってパチスロは1号機体制へと移行し、これを機にいくつかのメーカーが新たに業界参入を果たした。

 大阪は吹田市に産声を上げたパル工業も、そのひとつ。デビュー作の『ペガサス』と、その続編である1.5号機『ニューペガサス』は、吸い込み方式による激しい連チャン性で一世を風靡し、たちまち同社は全国にその名を轟かすこととなる。

 2号機時代に移ると規定により吸い込み方式が禁止されたことで同社は苦戦を強いられるが、3号機時代に入ると例によって「どこかの悪い人たち」の手によって裏モノ化。初代『ペガサス』を彷彿とさせる強烈な連チャン性でファンを熱狂させる。

 4号機の時代に入ると同社は、『ペガサスワープG』と色違いの兄弟機『R』をリリース。後者は、リプレイの連続出現が前兆となる裏モノが各地に出没し、話題と注目を集めた。

 ところが、である。パル工業の代名詞としてファンに親しまれてきた『ペガサス』の名は、この2機種を最後に封印。新たなシリーズ展開によって4号機市場でのシェア拡大に挑むこととなった。その第1弾が、1994年の暮れにリリースされた『C51SP』である。

『C51SP』

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 なにかの暗号のような機種名、その由来には2つの説があり、ひとつは大正期に製造され戦前は超特急「燕」の牽引機として大活躍したSLの名機、そしてもうひとつはメーカーいわく「チャンス来い!!」というキャッチフレーズだ。

 ともかく、上下ぶちぬきで火炎に包まればく進するSLのダイナミックな勇姿が描かれたパネルは、見る者に強烈なインパクトを与えてくれる。

 仕様は、前シリーズと同様、ボーナスオンリーのスタンダードなAタイプ。スペックは、最低設定1でも279分の1という高確率のビッグをメインに、高設定になるほどREG比率が高まるという確率設計。

 低設定でもビッグ連打による大量獲得が期待でき、高設定ではBR両ボーナス入り乱れての連チャンが楽しめる…といったところか。パチスロ「伝統ある『ペガサス』の名を封印したパル工業の新シリーズ第1弾」~4号機名機伝説~ 『C51SP』前編 【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.103】の画像3
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 出目演出についても前シリーズ同様、「スベリ」や「引き込み」がメインでシンプル至極…と、見た目のインパクトとは裏腹に、仕様やゲーム性は良くも悪くも「ごくごくフツーの4号機Aタイプ」だった『C51SP』。

 が、そこはやはり『ペガサス』シリーズで名を馳せたパル工業の、新シリーズ第1弾。パチスロ必勝ガイドでの扱いは大きく、初実戦は全国初導入となった愛知県のホールまではるばる遠征して行うこととなった。

 師走恒例の年末進行で多忙な中、遠征取材を託されたのは、担当ライターの自分と編集のグレハニスト内池(現・沖ヒカル)、そしてこの年の夏にデータ取り集団「ショッカー」に加入したばかりの新人、カッパ君(現・山本コーラ)の3名。

 早朝、東京駅地下にある「銀の鈴」前に集合し、始発の「のぞみ」で名古屋へ向かうことになったのだが、ここで事件が起きる。念のため発車の30分前に集合することになっていたのだが、待てども待てども一向にカッパ君が現れないのだ。

「まさか、寝坊してんのかなぁ。ちょっとボク、電話してきますよ」

そういうと内池君は、近くの公衆電話の受話器を取った。

「…あ、もしもし? カッパ君? もー、なにやってんのよ!!」

受話器を握りしめ、真っ赤な顔で電話の相手を怒鳴りつける内池君。ところが…。

「…え? あ…あ…す、すみません。あ、はい。とっくに出てる? あ、そうですか。はい、はい…すみません、ほんと朝早くから、すみません…」

一転して、受話器を手に平身低頭、ただただ謝り続ける内池君。どうやら電話の相手はカッパ君ではなく、弟さんだったようだ。

そんなやりとりが終わった直後。当のカッパ君が特に慌てる様子もなく、駅弁を手に寝ぼけ眼をこすりながら現れた。

無事、発車時刻に間に合ったことの安堵感の方が大きかったのだろう。内池君は、遅れてきたカッパ君を叱責することもなく、苦笑いしながら先ほどの電話でのやりとりを、カッパ君に話した。

「えーっ、ちょっと勘弁してくださいよー!! ショッカーでカッパ君やってること、家族には内緒だったんですからー!!」

この世の終わりのような表情でうなだれるカッパ君。まぁ、遅刻した罰だ。甘んじて辱めを受けるがいい。

そんな感じで、出発前からドタバタだった愛知取材だが、現地に到着してからもまた、事件は勃発するのであった。主役は、もちろん……。(中編につづく)パチスロ「伝統ある『ペガサス』の名を封印したパル工業の新シリーズ第1弾」~4号機名機伝説~ 『C51SP』前編 【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.103】の画像5

アニマルかつみ

アニマルかつみ

兵庫県尼崎市出身。1992年春にパチスロ必勝ガイドのライターとなり、以来30年にわたってメディア人の立場から業界の変遷を見つめてきた大ベテラン。ぱちんこ・パチスロの歴史に関しては誰にも負けない博識を持つ。最近ではYouTube動画チャンネル「ぱち馬鹿」のメンバーとして、各種企画の制作や出演、生配信などにも精を出している。ライター稼業のかたわら、ロックバンドのベースプレイヤーとしても活動中。愛猫家。昭和レトロ好き。

Twitter:@anikatsu213

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