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天皇賞・春(G1)テーオーロイヤルだけじゃない! 皐月賞「大逃げ」メイショウタバル、高松宮記念1番人気ルガルなど「個性派の宝庫」三嶋牧場がスゴイ

天皇賞・春を制したテーオーロイヤル 撮影:Ruriko.I
天皇賞・春を制したテーオーロイヤル 撮影:Ruriko.I

次々と活躍馬が出てくる三嶋牧場がスゴイ

 勢いを感じずにはいられない。28日に京都競馬場で行われた天皇賞・春(G1)は、1番人気のテーオーロイヤル(牡6歳、栗東・岡田稲男厩舎)が勝利。長距離重賞3連勝で一気に現役No.1ステイヤーの座を射止めた。

 師匠の岡田稲男調教師の管理馬で見事G1初制覇を飾った菱田裕二騎手のハツラツとした笑顔、そして何度も零れた「ありがとう」が印象的な今年の天皇賞・春だった。

 だが、改めて注目したいのがテーオーロイヤルの生産・育成を手掛けた三嶋牧場だ。

 ノーザンファーム、社台ファームという2大巨頭が君臨する日本のサラブレッド生産界で、社台グループ以外の生産牧場がスポットを浴びる機会は本当に限られている。

 しかし、そんな中でも近年「三嶋牧場」というフレーズを目にした記憶がある読者も少なくないのではないだろうか。それくらい三嶋牧場からは次々と活躍馬が誕生している。最近でも今年の高松宮記念(G1)で1番人気だったルガルや、皐月賞(G1)で超ハイペースを演出し、レコード決着の立役者となったメイショウタバルが同牧場の生産馬と言えば、少しはその勢いが伝わるかもしれない。

 それも何故か、競馬ファンの記憶に残りやすい個性派が目立っているのだ。

取締役の三嶋健一郎氏は元ダーレー・ジャパン代表

 例えば、先週の天皇賞・春を制したテーオーロイヤルは、兄にダートの超一線級で活躍するメイショウハリオがいることでも有名だ。当然、本馬も三嶋牧場の生産馬だが、パイロを付けて史上初の帝王賞(G1)連覇を成し遂げたメイショウハリオを生産したかと思えば、今度はリオンディーズから現役No.1ステイヤーのテーオーロイヤルが登場と、これだけを見ても個性溢れる兄弟と言えるだろう。

「根幹は戦前から馬産を行っている歴史ある日高の中小牧場ですが、現在は三嶋牧場の他にも分場や育成牧場も所有しており、生産だけでなく育成まで行う総合的な牧場になっている点が三嶋牧場の強み。取締役の三嶋健一郎氏は元ダーレー・ジャパン代表という腕利きで、テーオーロイヤルの配合も氏の考案によるものだそうです。

最近では岡田スタッドやビッグレッドファーム、ノースヒルズなどと並ぶ非社台グループの代表的な牧場として、その名を見る機会も増えました。今最も勢いのある牧場の1つと言えるかもしれません」(競馬記者)

 メイショウハリオ、テーオーロイヤルの兄弟の他にも昨年の高松宮記念(G1)を勝ったファストフォースや、2021年の安田記念(G1)を勝ったダノンキングリーといった実力派も生産している三嶋牧場だが、池添謙一騎手が今なお敬愛してやまないメイショウベルーガ、川田将雅騎手が桜花賞馬のスターズオンアースを蹴ってまでオークス(G1)で騎乗したアートハウス、世界を股にかけて活躍したマスターフェンサーやバスラットレオンなど、その成績以上にファンの記憶に残るような馬が目立つ。

2021年の安田記念を勝ったダノンキングリー 撮影:Ruriko.I
2021年の安田記念を勝ったダノンキングリー 撮影:Ruriko.I

「牧場時代から期待していましたが、厩舎に移ってさらに馬が成長してくれました」

 三嶋牧場初の八大競走制覇を成し遂げたテーオーロイヤルについて、そう思い出を語った三嶋取締役。社台グループに支配されて久しい昨今の競馬界だが、ここに来て“日高の星”が大きな輝きを放っている。

GJ 編集部

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