パチンコ「爆裂メーカー」から「パチスロ機」本格始動!? 「黄金時代」遠ざかる成功者の思惑

　今までにない衝撃筐体『ライジングサンセイ』を搭載したパチンコ『CRキャプテン翼 黄金世代の鼓動』が今月にデビュー、先月には『G1 DREAM』『ジューシーハニー』の後継機が検定を通過するなど、常に話題を集めるトップメーカー『サンセイR&D』。

　さらに今月、業界を代表する超ヒット機種『CR牙狼TUSK OF GOD』も検定通過したことが明らかとなり、2018年はサンセイが誇る”御三家”がパチンコ業界を大いに盛り上げそうだ。

　しかし、豪華ラインナップが出揃う形となったサンセイへの評価は低空飛行が続く状況である。コンテンツ力ではカバーしきれない現状は、今の同社を苦しめているに違いないだろう。

　2015年まで販売可能であった旧MAX機の終了に伴い、その厳しさは顕著に現れる。大当たり確率の下限が1/320となった「新MAX機」から『牙狼』シリーズだけでも10機種が登場するが、唯一支持を得たのは『CR 牙狼GOLDSTORM翔』という印象だ。

　その他、『金田一少年の事件簿』『魔法先生ネギま！』『彼岸島』といった数々の人気アニメコンテンツがデビューを飾るも、スペック・演出面への評判は芳しくなく、ユーザーの期待を大きく裏切る形となってしまった。今まで築き上げきた『サンセイブランド』はかつて程の影響力はないといえる。

「やはりどんな知名度あるコンテンツ、斬新なシステム面を搭載しても『牙狼』のイメージが先行してしまうのがサンセイの懸念要素ではないでしょうか。画期的なシステムを搭載した『麻雀姫伝』や『彼岸島』はある意味大きな注目を集めましたが、ユーザーからの反応は『やっぱ牙狼やな』『牙狼と比べると……』と比較され、ファンの視線は常に『牙狼』に向けられているでしょうね。

同じメーカーとなれば対比されて当然ではありますが、サンセイの場合は特に強い。『初代牙狼』で一躍トップメーカーに躍り出たサンセイの印象は今も昔も変わらないのかもしれません」（記者）

　どうしても絶対的覇者『牙狼』の他、突破口となる2番手機種が見つけ出せていないサンセイ。検定通過した新台『牙狼』のヒットはもちろんのこと、是非『G1 DREAM』『ジューシーハニー』で新たな活路を見出してほしいところだ。

　一方で、パチスロ分野では2017年にサミーと共同開発した『パチスロ牙狼‐守りし者』を送り出している。サミーが編み出した「勝負玉」システムに加え、パチンコで馴染みの演出が豊富に搭載されており、パチンコファンからも大きな注目を浴びていた。

　そんなサンセイパチスロ機に関する注目の「新機種情報」が浮上。なんと伝説的野球マンガ『巨人の星』が適合したとの話が関係者の間で囁かれているが……ユーザーからの反応はイマイチである。

「サンセイ製『パチスロ巨人の星』に対して良い声はあまり聞こえてきませんね。もともと今はなきメーカー・アリストクラートの代表機種ですから当然ながら比較されるでしょう。

それに加え、パチンコ業界でのコンテンツ力は『牙狼以下』ですし、仮にサンセイ単独での開発となれば正真正銘の第一弾機種。実績は当然ながらゼロです。なによりシーズン的に『5.9号機』での登場はほぼ確定ですから『今さらすぎる』『出玉規制前から着手するべき』と厳しい意見が相次いでいますよ」（同）

　かつての「黄金時代」とは異なり厳しい局面を迎えているサンセイ。そんな状況でのパチスロ機開発の噂にファンは不安の色を隠せない。

　一方で、これまで高い実績を残してきたパチンコ機の”大復活”に期待したいところだが……。
（文＝編集部）