
【天皇賞・春】横山典弘「前ポツン」にファンは狂喜乱舞? 20年前の逃亡劇再現あるか……マテンロウレオ陣営も不気味なコメント

今週末から始まるゴールデンウィークの真っ只中に行われるのが、古馬の最強ステイヤーを決める天皇賞・春(G1)だ。淀の芝3200mを舞台に争われるマラソンレースに今年は18頭が出走。大阪杯(G1)を制して低レベル疑惑に一矢を報いた4歳世代と歴戦の強豪たちの激突も興味深い。
戦前の下馬評は、昨年の菊花賞(G1)を圧勝したドゥレッツァと阪神大賞典(G2)を5馬身差で楽勝したテーオーロイヤルの一騎打ちが濃厚と見られているものの、異質な存在感を放っているのが、横山典弘騎手が騎乗を予定しているマテンロウレオ(牡5、栗東・昆貢厩舎)である。
武豊に引けを取らない関東のベテランにファンも狂喜乱舞?
鞍上の横山典騎手は、55歳のレジェンド武豊騎手よりひとつ先輩の56歳。近年は長男の横山和生騎手、三男の横山武史騎手らの活躍も目立つが、「何をやるか分からない」父の手綱捌きに唸らされたことのあるオールドファンも少なくないはずだ。
いまだに「横山典弘=メジロ」というイメージも根強いが、近年は「横山典弘=マテンロウ」も認知されている。前走の日経賞(G2)でもコンビを組んだ人馬は、天皇賞・春においても最大の惑星といえる存在かもしれない。
惜しくも4着に敗れはしたが、「横山典弘マニア」を“狂喜乱舞”させるには十分過ぎる見せ場を作った。見せ場なく凡走した京都記念(G2・9着)をステップに参戦したこのレースで、スタートしてすぐハナを奪いに行く積極策。これを見たヒートオンビートの石川裕紀人騎手は競り合いを避けて2番手に落ち着く。凡庸な騎手なら先頭に立っただけで安心し、そのままスローに落として前残りを狙うケースも珍しくはないが、関東の大ベテランはそれだけでは終わらない。
そのまま後続との差を広げ続け、2番手を10馬身ほど離す大逃げとなりながら1000m通過は59秒9とそこまで速くはない。この絶妙なペース配分こそ、武豊騎手に引けを取らない天才といわれる所以だろう。
向正面でその差を15馬身ほどに広げたマテンロウレオを、残り1000mを切ったあたりから後続馬が慌てて追い出す。最終コーナーを回ったタイミングで大本命に推されていたボッケリーニがいち早く捕まえに行ったが、本馬をはじめ好位で追い掛けた組は伸びを欠いて後退。勝ったシュトルーヴェをはじめ上位3着以内に入った馬は、マテンロウレオと横山典騎手のコンビに惑わされなかった後方待機の組だったというのは皮肉な話だ。
「どちらかというと馬よりも騎手に注目が集まりやすい横山典騎手ですが、日経賞でも玄人好みする渋い騎乗に痺れました。惜しくも馬券圏内からハナ差だけハズレてしまいましたが、このハラハラドキドキ感を味わえるなら納得です。
天皇賞・春は日経賞以上に人気がないと思いますが、もしかするとこちらの方が不気味かもしれませんよ。何しろ長距離戦の横山典騎手は変幻自在の騎乗が魅力ですからね。前走後に昆先生が残していたコメントにもヒントがあるように感じました」(競馬記者)
最後の直線で瞬発力勝負に後れを取ったマテンロウレオだが、昆調教師によると「完全にバテているわけではないのですが……。この経験が次に生きてくれば良いですね」とのこと。スタミナが切れて差された訳ではないということなら、騎手の巧拙が結果に直結しやすいとされる長距離レースで持ち味が生きる。
昨年5着のマテンロウレオだけにチャンスは十分
しかも、鞍上の横山典騎手は2004年の天皇賞・春で10番人気イングランディーレを7馬身差で勝利に導いた実績の持ち主。パートナーは主にダート戦を使われていた馬だった上に、前走も船橋のダイオライト記念(G2)で2着に敗れての参戦。だからといって勝算がゼロという訳でもない背景もあった。
実はこの馬、前年のダイヤモンドS(G3)や日経賞(G2)勝ちもあれば、ステイヤーズS(G2)で2年連続4着に好走した実績を持っていたのだ。血統的にも父ホワイトマズルで母父リアルシャダイとスタミナに確かな裏付けがあったことを思えば、横山典騎手からすれば「周りが勝手にナメてくれただけ」といったところか。
そういう意味では、今回のマテンロウレオは昨年の同舞台で5着に入った馬。これといって逃げにこだわる馬が見当たらないだけに、ファンに「前ポツン」と評される大逃亡劇を演じる可能性は十分にありそうだ。
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