【天皇賞・春】菱田裕二「師弟コンビ」で悲願の初G1制覇へ! 川田将雅、C.ルメール不在もチャンス、「勝率5割」のデータが人馬を後押し
前哨戦圧勝のテーオーロイヤル、さらに状態アップ!
24日、東西のトレセンで天皇賞・春(G1)の最終追い切りが行われた。前哨戦の阪神大賞典(G2)を5馬身差で圧勝したテーオーロイヤル(牡6歳、栗東・岡田稲男厩舎)は、状態がさらにアップしているようだ。
栗東ウッドコースで3頭併せを敢行し、僚馬2頭を追走する形で全身を大きく使ったフットワークを披露。最後は半馬身ほど遅れたものの、これは想定内だったようで、管理する岡田調教師は「抜群に良かった」と愛馬の仕上がりに太鼓判。開業22年目で初となるG1制覇がいよいよ現実味を帯びてきた。
また、トレーナーとともに悲願のG1初優勝を目指すのは、弟子でありテーオーロイヤルの主戦を務める菱田裕二騎手も同じだ。
現在31歳の菱田騎手は2012年に騎手デビュー。ルーキーイヤーに23勝を挙げ、関西の新人王にあたる『中央競馬関西放送記者クラブ賞』を受賞したホープである。
その期待通り、栗東の名伯楽であった松田博資元調教師からも、その腕にお墨付きをもらう。3年目には早くも師が管理したタガノグランパで日本ダービー(G1)初騎乗を果たしており、その後もG1の常連だったラストインパクトなどの鞍上を務めた。ここまでJRA通算勝利は474を数え、重賞7勝をマークしているが、G1タイトルには手が届いていない。
4番人気のテーオーロイヤルで挑んだ一昨年の天皇賞・春が、これまでで最も上位人気の馬に騎乗するチャンスだったが、圧勝したタイトルホルダーから大きく離された3着。リベンジのかかる今年は『netkeiba.com』で公開されている単勝予想オッズで24日現在、2番人気の支持。当日は1番人気に推される可能性もあるのだから力が入る。菱田騎手も『スポーツ報知』の取材に「本当に大事なレース。騎手として結果を出すことしかないと思っています」と話しており、これからの騎手人生を左右する一戦になるかもしれない。
今年の天皇賞・春は2名のトップジョッキーが不在
「昨年は団野大成騎手が高松宮記念(G1)で初G1制覇。一昨年には丸田恭介騎手も同レースで初めてビッグタイトルを獲得するなど、上半期のG1レースでは騎手が初のタイトルを手にするシーンも目立ちますが、菱田騎手もこの流れに乗りたいところですよね。
また、上記2名のジョッキーが勝った際は川田将雅騎手、C.ルメール騎手がドバイに遠征していたため不在という共通点がありました。実は今回の天皇賞・春でも川田騎手とルメール騎手は騎乗しない見通しです」(競馬誌ライター)
川田騎手は今週末、プログノーシスとのコンビで香港のクイーンエリザベス2世C(G1)参戦を予定しているため、日本に不在。先月のドバイワールドカップデーで落馬し怪我を負ったルメール騎手は現在療養中であり、5月の戦列復帰を目指しているところである。
思えば川田騎手は今年2月に開催されたフェブラリーS(G1)の際もカタールに遠征しており不在だったが、このときはペプチドナイルに騎乗していた藤岡佑介騎手がおよそ6年ぶりとなる久々のG1制覇を果たしていた。
普段G1を勝ちまくっているトップジョッキーの不在も菱田騎手にとってチャンスとなりそうだが、他にも天皇賞・春は過去20年間の勝ち馬のうち、ちょうど半数の10頭が初G1勝利だったことも初のビッグタイトルを狙う人馬を後押ししそうだ。
■天皇賞・春が初G1勝利だった馬(過去20年間)
04年イングランディーレ
05年スズカマンボ
08年アドマイヤジュピタ
09年マイネルキッツ
10年ジャガーメイル
11年ヒルノダムール
12年ビートブラック
13年フェノーメノ
18年レインボーライン
23年ジャスティンパレス
さらに、グレード制が導入されて以降、前哨戦の阪神大賞典で5馬身以上の差をつけて勝利した馬は、続く天皇賞・春で【1-1-1-0】、複勝率100%という強力なデータまで存在している(1着・1992年メジロマックイーン、2着・2021年ディープボンド、3着・2001年ナリタトップロード)。
川田・ルメール両騎手の不在、ここ20年の天皇賞・春の勝ち馬傾向、そして阪神大賞典を圧勝して臨む馬の好データは、菱田騎手とテーオーロイヤルにとって強烈な追い風となるに違いない。
イングランディーレが勝った2004年の天皇賞・春を現地観戦したことをきっかけに、ジョッキーになることを志したという菱田騎手。それから20年、思い出の地・京都競馬場での初戴冠も夢ではない。
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