
JRAデムーロ「ペルシアンナイトと復活なるか」札幌記念(G2)で鬱憤晴らせる?
18日、札幌記念(G2、芝2000メートル)が行われる。4頭出走予定のG1馬のうち最も人気のなさそうなペルシアンナイト(牡5歳、栗東・池江泰寿厩舎)について検討してみよう。
ペルシアンナイトは3歳の2月にアーリントンC(G3、芝1600メートル)で重賞初制覇を飾ると、4月の皐月賞(G1、芝2000メートル)で2着に好走。一流馬としての頭角を現した。秋のマイルCS(G1、芝1600万下)を優勝して、マイルから2000メートルまでこなせる有力な新星として注目された。
その後は勝ち星がないものの4歳時の昨年は大阪杯(G1、芝2000メートル)とマイルCSで2着に好走している。ところが5歳になった今年、初戦の金鯱賞(G2、芝2000メートル)こそ4着に踏み止まったものの大阪杯では11着、安田記念(G1、芝1600メートル)では10着に惨敗してしまった。
これまで夏は休養して10月の東京・富士S(G3、芝1600メートル)を使って11月の京都・マイルCSに挑むのがパターンだったが今年は札幌記念に参戦してきた。これにはどんな意図があるのだろうか。
「ペルシアンナイトの東京実績は【0・1・0・5】とまったく結果を出せていません。唯一連対したのはデビュー2戦目のアイビーS(オープン、芝1800メートル)だけです。距離不向きだった日本ダービー(G1、芝2400メートル)の敗戦は仕方ないにしても、あと4つの着外は得意のマイル戦であるはずの富士Sの2回と安田記念の2回です、
確かに東京におけるペルシアンナイトのレースは出遅れや前がつまるなどの不利もあるのですが、それにしても基本的に左回りは向いていないように見えます。たとえ道中の位置取りが後ろになったとしても、器用な脚を使って勝負どころでは好位に上がってこられるのがこの馬の長所です。東京のように持続力を要求されるパワー勝負には向いていないのかもしれません。
今年は富士Sで無駄にエネルギーを消耗するよりも、札幌記念を使って秋競馬に余裕のローテーションで臨みたいということでしょう」(競馬ライター)
それにしても今年の札幌記念は菊花賞(G1、芝3000メートル)と天皇賞・春(G1、芝3200メートル)を制したフィエールマン、日本ダービー馬ワグネリアン、有馬記念馬ブラストワンピースといった強力な4歳馬が相手となる。ペルシアンナイトにとって札幌記念は秋に向けての叩き台にすぎないのだろうか。
「大阪杯で11着、安田記念で10着に惨敗しているだけに、ここでは人気を落とします、それだけにペルシアンナイトは絶好の狙い目だと思います。M.デムーロ騎手が“最近はついていない”と言うように、大阪杯も安田記念も能力を出し切っていません。特に大阪杯は超スローな流れに乗れた馬だけが好走できたレースで、ペルシアンナイトには合っていませんでした。
もともと近走の着順が悪くてもペースや展開が向けばいきなり好走してきた馬です。これには父ハービンジャーが関係しているとも言えます。同じハービンジャー産駒のディアドラも不可解な敗北をすることがありますが、リズムに乗れば先日のナッソーS(G1、芝1980メートル)のように大金星を上げることもできます。ペルシアンナイトにとって札幌は初めてになりますが、ディアドラが札幌を得意としているように、コース相性にはなんの問題もないはずです」(同)
デムーロ騎手の今年の重賞勝ちは日経新春杯(G2)のグローリーヴェイズ、NHKマイルC(G1)のアドマイヤマーズ、オークス(G1)のラヴズオンリーユーの3つ。G1勝ちが2回あるとはいえ、本人にとってはかなり不満な成績だろう。
まだ終わったわけではないペルシアンナイトにとっても、勝利の貪欲なデムーロ騎手にとっても、札幌記念は秋に向けた重要な一戦だ。
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