
JRAアドマイヤマーズ「落選」サートゥルナーリアが3歳王者に疑問?国内外G1制覇なのに……
2019年度JRA賞競走馬部門が発表された。記者投票の結果に基づき、今回はリスグラシューが年度代表馬&最優秀4歳以上牝馬の2冠を達成。最優秀2歳牡馬には2位に大差をつけてコントレイル、最優秀2歳牝馬には満票でレシステンシアが選出されている。
圧倒的な票を集めて選出された馬たちがいた一方、混戦を辛くも制した馬もいたようだ。なかでも今回最も票差が少なかった最優秀3歳牡馬の選出には疑問の声も上がっている。今回124票を獲得して選出されたのは、皐月賞馬サートゥルナーリアで、2位のアドマイヤマーズは17票差で涙を飲んだ。
サートゥルナーリアは圧倒的な支持を得た日本ダービー(G1)では4着、2番人気だった天皇賞・秋(G1)で6着と、ここ一番で取りこぼしも目立った。だが、G1馬が11頭も集結した有馬記念(G1)では後方から脚を伸ばして殊勲の2着。勝ち馬リスグラシューからは、5馬身差をつけられたものの、強力なメンバーを相手に堂々とした走りを見せている。
一方、アドマイヤマーズは主戦のM.デムーロ騎手を背にNHKマイルC(G1)を優勝。だが秋の初戦の富士S(G3)では一番人気ながら、最後の直線で伸びを欠き9着と惨敗。レース後、デムーロ騎手は「直線はずっと左にモタれていた」と語り、「久々でしたし、使って良くなってほしいです」と今後の巻き返しに期待を寄せた。
そして迎えた香港マイル(G1)では、鞍上がC.スミヨン騎手にチェンジ。昨年から今年まで10連勝を果たしていたビューティージェネレーションらが、先行争いを繰り広げるなか、それを見る形で5番手で進む。そして最後の直線で外に出されると先行勢を交わしてトップに立ち、さらに外から脚を伸ばしてきたワイククを抑えて勝利。史上初めて3歳馬による優勝を達成している。
「サートゥルナーリアはG1競走1勝で、アドマイヤマーズは国内外で2つのG1を制覇。ここだけ見ればアドマイヤマーズが最優秀3歳牡馬になってもおかしくはず。ただアドマイヤマーズは富士Sでの惨敗でネガティブな印象が強く残っていた可能性があります。それが最後の最後まで尾を引いたのではないでしょうか。
サートゥルナーリアも天皇賞・秋では6着だったものの、あのときは相手がアーモンドアイ、ダノンプレミアム、ワグネリアンなど名だたる一線級が相手でしたからね。負けて強しと判断されたのでは? それに神戸新聞杯でも圧巻のパフォーマンスを見せましたし、有馬記念では国内での強力なメンバーを相手に互角以上に渡り合っています。そのため、アドマイヤマーズよりもポジティブなイメージがありますね」(競馬誌ライター)
今回はサートゥルナーリアに軍配が上がったが、これが絶対的な評価というわけではないはずだ。アドマイヤマーズ陣営にはこの悔しさをバネに、今年は最優秀4歳牡馬どころか年度代表馬に選出されるだけの活躍を見せたもらいたい。
PICK UP
Ranking
23:30更新「素行不良」で干された若手の更生に関西の大御所が名乗り! 福永祐一を担当した大物エージェントもバックアップ…関係者から「優遇され過ぎ」の声
【NHKマイルC(G1)予想】ジャンタルマンタルは皐月賞の反動があるとみて消し! 出走唯一の連勝馬に着目
横山典弘騎手が若手騎手に「あの乗り方はやめろ」岩田康誠騎手らが実践する「お尻トントン」は、競走馬の負担になるだけ?
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 「関東の問題児」がバチバチの叩き合いで痛恨の騎乗停止…被害馬の騎手からもクレーム? 降着の裁決に「迷惑をかけてしまい申し訳ない気持ち」
- JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- JRA「一寸先は闇」のような勢力図の激変…注目集めた若手同期の明と暗、あの「お騒がせ騎手」が佐々木大輔に続くブレイク?
- 武豊「こんな馬ではない」アルテヴェローチェ不完全燃焼!レースレベルに疑問残るも…川田将雅「4コーナーで勝つと思いました」の明暗