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JRA横山典弘「伝説の神騎乗」7馬身差の独り旅! 10番人気で古馬三冠馬を置き去り…… 大波乱のパートナーが異国の地で天寿を全う

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JRA横山典弘「伝説の神騎乗」で7馬身差の独り旅! 10番人気で古馬三冠馬を置き去り…… 大波乱のパートナーが異国の地で天寿を全うの画像1

 先日、スイープトウショウ、シンボリクリスエスと平成の競馬を盛り上げた名優たちが亡くなったばかりだが、またひとつ悲報が舞い込んだ。

 2004年の天皇賞・春(G1)を優勝し、引退後は種牡馬となっていたイングランディーレが、韓国で亡くなったことが14日に分かった。21歳で死因は老衰だった。一般的にサラブレッドは人間の約4倍の早さで年を取るといわれており、約80歳と考えれば天寿を全うしたといえる。

 イングランディーレを語るにあたって、最も脚光を浴びたレースといえば04年の天皇賞・春で間違いないだろう。

 この年は1番人気に武豊騎手のリンカーン、2番人気が前年のクラシック二冠馬ネオユニヴァースとM.デムーロ騎手のコンビ、3番人気は安藤勝己騎手が手綱を取る前年の菊花賞馬ザッツザプレンティ、同年の秋古馬三冠を制したゼンノロブロイが4強を形成した。

 長距離戦の名手といわれる横山典弘騎手が騎乗するとはいえ、直前のダイオライト記念(G2)を5馬身差の2着と完敗していただけに、単勝71倍の10番人気も致し方なかっただろう。

 レースではスタートしてすぐにイングランディーレがハナに立ち、後続を大きく離す展開となった。2番手につけたアマノブレイブリーが追走を試みるものの、徐々に差が開いていった。そしてここからが名手・横山典弘の真骨頂。後ろが追いかけて来ないと見るや、絶妙にラップを緩めながらさらに差を広げに掛かる。

 2周目の3コーナーを過ぎた頃、2番手の馬との差は15馬身ほどに開いていた。後続がようやく”異変”に気付いたときには既にセーフティーリードを確保していたのである。イングランディーレは切れる脚がなくとも、ステイヤーズS(G2)をはじめとしたマラソンレースを勝ち負けしていた超ステイヤーだ。

 悠々自適の独り旅で余力は十分残しており、直線に入っても脚が鈍ることはない。ゴール板を通過したときには、2着に入ったゼンノロブロイに7馬身の差がついていた。

 アッと驚く大逃走を決めた横山典騎手は満面の笑みでガッツポーズ。管理する清水美波調教師も「勝った後、よく階段を転げ落ちなかったと思ったくらい興奮していました。横山騎手には思い切った競馬をして欲しいと言っていました。これほど上手くいくとは、ラッキーでした」と”神騎乗”を大絶賛した。

「上位人気に支持された馬に長距離適性が不安視される馬が多かったことも大きかったです。これらの騎手が折り合いを気にするあまり、積極的な騎乗を避けたことも、大きく影響したと思います。

また、鈴をつけに行く騎手がおらず、イングランディーレも10番人気の大穴でノーマークだったこともラッキーでしたね。長距離戦は先に動いたら負けるという騎手心理を逆手に取った横山典騎手らしいマジックだったといえます」(競馬記者)

 スピード競馬が主流となった昨今の競馬と異なり、当時はトップクラスの馬が天皇賞を目指すのが当然とすら考えられていた時代。父が欧州血統のホワイトマズル、母父に長距離戦の申し子リアルシャダイというイングランディーレは底抜けのスタミナを誇っていた。

 勿論、この勝利を横山マジックのひと言だけで済ませることはできない。イングランディーレは天皇賞以前にも日経賞(G2)やダイヤモンドS勝ちという能力の裏付けがあったことも確かだ。

 初騎乗だったにもかかわらず、勝機を見出すにはスタミナ勝負しかないと大逃げを敢行した関東の名手とまさに人馬一体での勝利だったといえるだろう。

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