JRAサトノフラッグ惨敗の裏に戸崎圭太を襲った「目眩まし」あり!? 国枝厩舎の管理馬で「前祝い」が仇となった2時間半前の出来事
24日、中山競馬場で行われたAJCC(G2)はアリストテレスが優勝。2着にヴェルトライゼンデが入り、4歳馬によるワンツーとなった。
同じく4歳馬のウインマリリンは2番手からレースを進めて6着という結果だったが、上位はすべて直線で外から伸びた差し馬だったことを考えれば上々の結果と言えるだろう。これまで一部の間で低レベル説が囁かれてきた4歳世代が活躍したことで、世代レベルを見直すきっかけとなるレースになった。
その一方、4歳馬で唯一の大敗を喫したのがサトノフラッグだ。
重馬場の弥生賞(G2)を制し、同じ舞台で行われたセントライト記念(G2)で2着という実績から2番人気に支持されたサトノフラッグ。最内枠からの発走だったが出脚がつかず、さらに外枠の馬が主張したことで16番手からレースを進めることになった。3コーナー手前から徐々にポジションを押し上げていくも、最後の直線では失速。11着という結果に終わった。
前走からプラス10キロで過去最高体重という余裕残しの馬体、アリストテレスとヴェルトライゼンデより1キロ重い斤量も敗因に考えられるが、最も大きな要因はポジション取りに尽きるだろう。
レース後に戸崎圭太騎手が「前半でポジションを取れればと思っていたが、馬がそういう感じではなかったのでリズムを守って運んだ」と話していることからも、想定よりも後方の位置取りとなっていたようだ。
馬のリズムを守ったということは、折り合いを欠くリスクの回避という考えもあっただろう。ただ、それ以上に戸崎騎手を後方に留めた原因が2時間半前にあったと考えられる。
中山6Rの新馬戦はカレンレベンティス(牡3歳、美浦・国枝栄厩舎)が優勝。戸崎騎手と国枝厩舎のコンビが、メインレースの前祝と言わんばかりの勝利を挙げた。
カレンレベンティスは後方の位置取りからレースを進め、3コーナーで進出を開始。4コーナーを回り終える頃には先頭集団を射程圏に捉えて、上がり3F最速の末脚で差し切るという強い勝ち方だった。途中まではサトノフラッグと同じレース運びだが、全く違う結果である。
「この日、戸崎騎手は芝のレースで2勝しています。未勝利戦を勝ったソーヴァリアントは先行押し切り、カレンレベンティスは差しの競馬で勝っています。もしかすると、サトノフラッグが後方の位置取りになってしまったときに、カレンレベンティスで勝ったイメージがよぎったのかもしれません。
しかし、出走馬の実力差に開きがある新馬戦と違って、重賞ではうまくいきませんでしたね。ソーヴァリアントも一度は未勝利戦を勝つも、薬物の検出により失格になった実力馬です。AJCCの前に騎乗した芝レースがどちらも有力馬だったことが、馬場傾向を探るという点では仇となったとも感じますね」(競馬記者)
この日の芝レースで挙げた「2勝」は戸崎騎手にとってかけがえのない勝ち星である。だが、サトノフラッグに悪影響を及ぼしたという見方もできるかもしれない。
サトノフラッグの敗戦は痛手だが、その原因を作った可能性があるカレンレベンティスは今後注目しておきたい逸材である。まさかの惨敗を喫すると同時に、戸崎騎手は心強いパートナーを手に入れたようだ。
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