
JRA 3冠牝馬デアリングタクトに陣営「正直物足りない」!? グローリーヴェイズも“距離不安”の2強対決【金鯱賞(G2)展望】
14日、中京競馬場では金鯱賞(G2)が開催される。春の中距離路線を占う一戦で、最も注目を浴びるのは、昨年無敗で牝馬クラシック3冠を達成したデアリングタクト(牝4歳、栗東・杉山晴紀厩舎)だろう。
デビューから手綱を取る松山弘平騎手とのコンビで、桜花賞、オークス、そして秋華賞を制覇。世紀の一戦と言われた前走のジャパンC(G1)では、同じく3冠馬のアーモンドアイとコントレイルの後塵を拝し、初黒星を喫した。それでもアーモンドアイに0秒2差、コントレイルとはクビ差とその実力はしっかり示した以上、ここは負けられない。
中間は放牧でリフレッシュを図り、3か月半ぶりの実戦。比較的相手にも恵まれた印象で、断然1番人気は間違いないだろう。
先月10日に帰厩した後は、同17日に栗東坂路で初時計をマーク。24日の2週前追い切りは、栗東CWを単走で6ハロン83秒2-12秒3。さらに今月3日の1週前追い切りでは、同じ栗東CWで僚馬と併せ、6ハロン82秒6-12秒2をマークした。
時計自体は合格点を与えられるが、杉山調教師は「パッと見はまだ冬毛が目に付き、正直物足りない印象です。オークス時のような皮膚が薄くパンプアップした感じもない」とやや厳しめのコメントをノルマンディーOCの公式サイトで残している。最終追い切りでどこまで変わってくるか、見極める必要がありそうだ。
大目標は4月に香港で開催されるクイーンエリザベス2世C(G1)とはいえ、これまで先着を許したのは3冠馬2頭だけ。4歳を迎えた3冠牝馬は、貫禄を見せられるだろうか。
打倒デアリングタクトの1番手がグローリーヴェイズ(牡6歳、美浦・尾関知人厩舎)だ。19年には香港ヴァーズを制したG1馬である。
その後も昨秋の京都大賞典(G2)で58kgを背負って完勝するなど、中長距離路線で活躍している。前走のジャパンCでは、積極的な競馬を見せ、5着に好走。デアリングタクトとは「ハナ+クビ」の僅差だった。
ただ、天皇賞・春(G1)2着の実績があるように、2000mの距離はやや短い印象。スローの展開になれば、切れ負けする可能性もある。逆にスタミナ勝負になれば、デアリングタクトに一泡吹かせてもおかしくない実力の持ち主だ。6歳を迎え、メジロ牝系の成長力を味方に3冠馬に対峙する。
先日勇退した角居勝彦元調教師の置き土産、キセキ(牡7歳、栗東・辻野泰之厩舎)は有馬記念(G1)以来となる実戦を迎える。
転厩初戦となるが、新たに管理する辻野調教師は、長年にわたり角居元調教師の下で調教助手を務めた。辻野調教師にとっては、もちろんこれが重賞初挑戦。鞍上に指名したのは17年に菊花賞(G1)制覇に導いたM.デムーロ騎手だ。
近年は、角居厩舎の馬に騎乗する機会が激減していた同騎手だが、厩舎解散に伴って新たにチャンスを得た。不振にあえぐデムーロ騎手に秘策はあるだろうか。
PICK UP
Ranking
11:30更新「最強マイラー」に降りかかった予想外の火の粉…「名義貸し」の発覚したオーナーは馬主資格をはく奪、不運の名馬トロットサンダー【競馬クロニクル 第41回】
JRA宝塚記念(G1)横山典弘「息子愛」でタイトルホルダー救った!? 好アシストに陣営からも感謝の声、横山和生が「最大のピンチ」を脱した裏側
浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 武豊「スキャンダル」「ケガ」など揺れに揺れた2017年。弟・幸四郎騎手「引退」から小浦愛「不倫疑惑」、そしてキタサンブラック「大団円」までをプレイバック!
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- JRA今村聖奈「大ブレイク」の陰で悲痛な叫び。「何のために騎手になったのか」乗鞍激減、レース開催日に”お留守番”続出
- アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- JRAイチの「豪快王」小島太列伝。愛人、酒席トラブルあっても名騎手、名調教師の生き様に曇りなし
関連記事
JRA「勝ち負け無視」三浦皇成に非難轟々……テレビ出演“赤っ恥”ベテラン騎手、まるでG1・金鯱賞(G2)でドリームマッチ【週末GJ人気記事総まとめ】
JRAデアリングタクトVSレイパパレ「初対決」は……!? 無敗の三冠馬と無敗の超新星、それぞれが抱える「事情」とは
JRAノーザンファーム「第2」のコントレイル、デアリングタクト許さん!? 屈辱の2020年から「2021クラシック」独占へ、驚異の包囲網
最強女王アーモンドアイ引退で勢力図に変化!? これからの競馬界を牽引する有力馬はこれだ【2021年展望】
3冠馬対決「第2ラウンド」は大阪杯(G1)!? デアリングタクト金鯱賞から始動で気になる次走。杉山調教師「意味深コメント」から読み解ける選択肢とは