JRAデアリングタクト「足枷」は松山弘平!? ただでさえ厳しい状況に追い打ち……。コロナ禍までもが足を引っ張る?
好調・松山弘平騎手は勝利へと導けるのか――。
14日、中京競馬場で行われる金鯱賞(G2)に、デアリングタクト(牝4歳、美浦・杉山晴紀厩舎)が出走予定。昨年の競馬界を大いに盛り上げた世代最強牝馬が2021年のスタートを切る。
昨年は主戦・松山騎手とのコンビで大ブレイクを果たしたデアリングタクト。JRA初となる無敗での牝馬三冠を達成し、空前絶後の盛り上がりを見せたジャパンC(G1)では、アーモンドアイ、コントレイルに続く3着と、敗れはしたものの存在感を見せつけた。
レース後「最後に少し内々にモタれる面を見せました」と今後の課題を挙げていた松山騎手。同世代同士でも最も迫られたのは左回りのオークス(G1)で、今回の金鯱賞も左回りが一つポイントとなりそうだ。
ただ、オークスでは内で追い出しが遅れ、最後の直線で前が壁になったことも影響。馬群を縫って何とか差し切ったデアリングタクトだが、2着ウインマリリンとは僅か半馬身だった。
今回、金鯱賞では最内枠となる1枠1番。10頭立てと頭数が少ないのは救いだが、デアリングタクトにとっては試練となるかもしれない。
金鯱賞は、過去データからも内枠不利。過去10年(2011年の京都開催は省く)の成績では、1~4枠の内枠が3勝に対し、5~8枠は6勝と倍の開きがある。
もちろん、外枠の出走数が多いこともあるが、勝率でも10%を超えるのは5枠、7枠、8枠のみ。1枠は【1-1-0-9/11】で勝率9.1%、単勝回収率も31%と平均を大きく下回るのは、デアリングタクトにとって好ましいデータとはいえないだろう。
そんな時に頼りにしたいのが、今年も絶好調の松山騎手。しかし、ジョッキーにも追い打ちをかけるかの如く不安なデータが存在する。
今年に入って26勝を挙げている松山騎手だが、その全てが1枠より外での勝利。1枠でのみ、勝ち星を挙げられていないのだ。
今後、視野として入っている香港のクイーンエリザベス2世C(G1)や、秋の凱旋門賞(G1)は右回り。枠はともかくとして、左回り克服は一見それほど重要ではないとも思える。
しかし、コロナ禍の状況下では、ヴィクトリアM、天皇賞・秋、ジャパンCと、国内G1へと目標が切り替わる可能性も十分。金鯱賞での左回り克服は、今後の飛躍に大きな意味をもたらすはずだ。
「前哨戦でも負けるわけにはいかない馬だから」
そのように『サンスポZBAT!競馬』の取材に答えた松山騎手は、全ての不利を克服してデアリングタクトを勝利へと導けるのか……。金鯱賞では、その手腕が試されそうだ。
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