
JRA 「大器」グレートマジシャンが戸崎圭太騎手を背にダービーへ!一時は「除外濃厚」も、賞金上位馬の相次ぐ回避でまさかの「出走可能」に
3月に阪神競馬場で行われた毎日杯(G3)で2着に入り、その後は日本ダービー(G1)一本に目標を絞って調整されていたグレートマジシャン(牡3歳、美浦・宮田敬介厩舎)。
先日、同馬を所有するサンデーレーシングがホームページを更新。これまで全レースで手綱を執ってきたC.ルメール騎手に代わり、戸崎圭太騎手と新コンビを結成、日本ダービーに臨むことが正式に発表された。
今年のダービーは出走へのボーダーラインが高くなると予想され、収得賞金1650万円のグレートマジシャンは除外が濃厚だと思われていた。一時はNHKマイルC(G1)への出走も検討されていたが、最終的には見送っている。
管理する宮田師は、「出走できるように祈っています」と話していたが、どうやらその祈りが通じたようである。賞金上位馬や優先出走権持ちの馬の回避に加え、様々な幸運も流れ込んだ格好だ。
今月1日に行われた青葉賞(G2)では、グレートマジシャンを上回る賞金を持っていたワンダフルタウンが優勝。吉田和美氏の所有馬であるキングストンボーイが2着に入って優先出走権を獲得したが、秋に備えて休養に入るため、ダービーを回避することが既に発表されている。
先週行われたNHKマイルCの1~2着馬、シュネルマイスターとソングラインは、グレートマジシャンよりも賞金上位となったが、共にダービーは回避が濃厚。また、シュネルマイスターとソングラインは、グレートマジシャンと同じサンデーレーシングの所有馬でもあった。
他にもグレートマジシャンよりも賞金上位だったピンクカメハメハは、北海道スプリントC(G3)へ。兵庫チャンピオンシップ(G2)快勝後、一時はダービー出走も噂されたリプレーザだったが、次走はジャパンダートダービー(G1)へ向かうことがそれぞれ発表されている。
「賞金を持っていたNHKマイルCの上位馬などが回避、あるいは残念ながら故障してしまった馬も現れたことで、ダービーの出走ボーダーラインは思いのほか下がりました。一時は除外濃厚だと思われていたグレートマジシャンでしたが、これで出走はほぼ叶う見込みです」(競馬誌ライター)
今回、グレートマジシャンと新コンビを組む戸崎騎手は、18年、19年のダービーで惜しくも2着。自身初のダービー制覇に向けて、闘志を燃やしていることだろう。
先週はバジオウでプリンシパルS(L)を制し、ダービーの優先出走権を獲得した。だが、グレートマジシャンは2走前のセントポーリア賞(1勝クラス)でそのバジオウを一蹴しているのだから、ダービーでコンビを組むパートナーとして不足は無いであろう。
今年、既に2度の海外遠征を経験し、ピンクカメハメハではサウジダービーも制している。“世界のトサキ”の手綱捌きにも注目したい。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。
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