
JRA 川田将雅「ダノンザキッドの誤算」深刻……日本ダービー(G1)優勝マカヒキ以来4年ぶりタッグ結成も「アタマなし」確定か。1954年以降、66年間続く「鉄壁データ」
30日、東京競馬場で開催される牡馬クラシック第二弾、競馬の祭典・日本ダービー(G1)。
皐月賞(G1)で5着に入り、ダービーへの優先出走権を獲得したヨーホーレイク(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)が、川田将雅騎手と新コンビを結成して本番へと臨むことが、管理する友道康夫調教師から発表された。
友道師と川田騎手がダービーでタッグを組むのは、2016年に優勝を果たしたマカヒキ以来、2度目のことになる。今年はデゼルで阪神牝馬特別(G2)を、レッドジェネシスでは京都新聞杯(G2)を制しており、目下絶好調のコンビと言っても良いだろう。
新パートナーに決まった川田騎手は、元々ダービーではダノンザキッドとコンビを組む予定だった。しかし先日、残念ながらダノンザキッドの骨折が発覚。無念のダービー回避となった相棒の分まで頑張りたいところである。
一方で、ダービーでの鞍上がテン乗りの川田騎手に決まったことで、残念ながらヨーホーレイクは早くも「アタマなし」となってしまった可能性もある。
「ダービーは乗り替わりでは勝てない」という、有名かつ強固なデータがある。乗り替わりでダービーを制したのは、1985年に岡部幸雄騎手から加藤和宏騎手に乗り替わり優勝したシリウスシンボリが最後であり、以来35年間未勝利となっている。
しかし、加藤和宏騎手は以前シリウスシンボリの手綱を執っていた経験があった。これが今回のヨーホーレイクと同じく「テン乗り」となると、勝利は1954年のゴールデンウエーブまでさかのぼることになる。以来、実に66年間未勝利である。ヨーホーレイクにとっては実に嫌なデータだ。
また結果論ではあるが、川田騎手にしても今回のヨーホーレイクとの新コンビ結成は、ある意味では「誤算」だったかもしれない。
今年、ダービーに出走を予定している馬の中で、シャフリヤールとレッドジェネシスが、共に前走・川田騎手の手綱で重賞を勝利している。近年、ダービーを制するためには必須となっている継続騎乗の馬が、ダノンザキッドの他にも川田騎手には2頭いたわけである。
元々コンビを組む予定だったダノンザキッドが回避してしまったため、継続騎乗の馬が2頭いたにもかかわらず、66年間未勝利というデータ的にもっとも不利な「テン乗り」の馬を選ばざるを得ない状況となってしまった。
もちろんあくまでもデータなので、覆る可能性も十分にある。
その川田騎手が騎乗予定だったダノンザキッドが回避したことで、18頭立てとなって以来、初のフルゲート割れとなる今年のダービー。案外、こういったイレギュラーな年にデータは覆されるのかもしれない。ダービーのゲートが開くまであと1週間だ。(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。
PICK UP
Ranking
5:30更新全国リーディング6位のトップ騎手が重賞1番人気「11連敗」の泥沼…菊花賞(G1)権利取り失敗の日本ダービー3着馬に黄色信号
武豊「裁決に呼ばれるまで気がつかなかった」史上初の悲劇に大混乱。日本ダービーで“守られた”三冠、温情采配から8年…JRAが振るった大ナタと歴史が変わった日
天皇賞・秋(G1)「最強馬問題」がついに決着か、イクイノックスとドウデュースの直接対決がついに実現…ズバリ勝つのはどっち?【GJ読者アンケート】
- 【スプリンターズS(G1)】何故「絶好調」ナムラクレアは敗れたのか。レース後、調整過程に起こった変革。まさかの5着に終わった昨年の裏事情とは
- ダービー3着馬が菊花賞前に「不戦敗」の危機、権利取り失敗も陣営は巻き返しに意欲…混戦ゆえに浮かび上がった最悪のシナリオ
- 武豊「G1・9勝馬妹」と臨むリスタートの一戦! すでにオープン馬も輩出、大注目集める新種牡馬の産駒にいよいよ「初騎乗」へ
- 【スプリンターズS】「持っている馬主」三木正浩オーナーが狙う2つ目のG1タイトル、最長距離の次は最短距離…横山典弘&安田隆行のタッグに期待
- 東西最終レースに未来のダート女王候補登場か? 武豊主戦のインゼルレーシング所有馬とキャロットファームのドゥラメンテ産駒に熱視線
- 「武豊超え」に燃える横山典弘、スプリントG1・6勝の名伯楽が「横山マジック」に託す
- 審議長引いた「斜行体当たり」も降着なし 横山武史「コメントしないから!」に現場騒然 「帰国」J.モレイラも心中複雑!?【週末GJ人気記事ぶった斬り!】
関連記事
JRA 岩田康誠、岩田望来が親子で直前緊急降板の憂き目……日本ダービー(G1)ダノンザキッド回避に見えるジョッキーの弱肉強食
JRA 日本ダービー「鞍上問題」決着!? 武豊はディープモンスター、C.ルメールはサトノレイナス、M.デムーロはアドマイヤハダルで「打倒」エフフォーリア狙う
JRA 日本ダービー(G1)「新パートナー」横山典弘に賛否両論の声!? エフフォーリアVSレッドジェネシス、三男・武史との「ダービー親子対決」の行方
JRA サトノダイヤモンド「8cm」差で逃がした悲願! 日本ダービー(G1)「リベンジ」にC.ルメール手応え、ウオッカ以来の偉業にレイナスが臨む壁
JRA 「大器」グレートマジシャンが戸崎圭太騎手を背にダービーへ!一時は「除外濃厚」も、賞金上位馬の相次ぐ回避でまさかの「出走可能」に