JRAラペルーズ「被害者」から一転「加害者」に!? ユニコーンS(G3)「乗り難しい」C.ルメールもついにお手上げ、ダートの怪物候補が露呈した精神的な脆さ
20日、東京競馬場では、3歳ダート重賞・ユニコーンS(G3)が開催された。過去、タイキシャトル、アグネスデジタル、カネヒキリをはじめ、多数の名馬を輩出した名馬の登竜門的なレースである。
そんな注目の一戦を制したのは坂井瑠星騎手のスマッシャー。19年ぶりに7番人気馬が勝利し、2着に14番人気サヴァ、3着には3番人気ケイアイロベージが入り、3連単は79万3400円の大波乱となった。
その一方で、1番人気に支持されたラペルーズ(牡3、美浦・藤沢和雄厩舎)は、これといった見せ場もないまま13着。1番人気で11着に敗れた前走・青竜S(OP)に続いて二桁着順という大敗を喫してしまった。
「いいポジションを取れたが早めに疲れてしまった。気性的に乗り難しい」
ルメール騎手がそう振り返ったように、ラペルーズの精神的な危うさが露呈したレースでもあった。
16頭立てフルゲートのダート1600m戦。4番ラペルーズはゲートが開いた直後に外側へ逃避行する行儀の悪いスタート。この“タックル”の煽りを受けた5番イグナイター、6番クリーンスレイト、7番ケイアイロベージが玉突きのような格好で被害を受ける。バランスを崩したケイアイロベージには特に大きな不利となった。
前回とは違い、ポジションこそ中団の8番手につけたラペルーズだが、最後の直線を迎えても反応なし。ルメール騎手の懸命なアクションも虚しく、ズルズルと下がってしまった。
前走はスタート直後に隣のユアヒストリーにぶつけられた影響もあって、最後方からのレースとなったラペルーズ。その後も末脚は鳴りを潜め、ほぼ回って来ただけのような終戦。
レース後、ルメール騎手が「スタートから全く進んで行きませんでした」とコメントしたように、不可解な凡走だった。
「インから突き抜けたヒヤシンスS(L)とは別馬のような惨敗でした。父のペルーサも気性の難しさで陣営の手を焼かせた馬でしたが、産駒のラペルーズも例外ではなかったかもしれない
どうも気性的に繊細なようで、気分が乗らないと走るのをやめてしまっている感じです。ルメール騎手をして『乗り難しい』と弱音を吐かせてしまったのは重症かもしれません」(競馬記者)
前走は自身が被害に遭ったが、今回はタックルを浴びせる側の加害者になってしまったラペルーズ。名手でさえお手上げの気分屋に、大きな課題が立ちはだかった。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
PICK UP
Ranking
23:30更新- 田辺裕信「痛恨ミス」に降板を期待する声も浮上?超大物馬主が「何やってんだよー」のご立腹…一石投じたファンとのやり取りに注目集まる
- C.ルメール「12戦全敗」で連覇に審議ランプ点灯?ライバル川田将雅は7勝の猛チャージ…ドバイワールドカップデーで注目の直接対決
- 「G1馬5頭」でも盛り上がりを欠く今年の大阪杯…ドウデュース、リバティアイランド登場も国内は閑古鳥…いよいよ「最弱世代」疑惑は確信レベル?
- 大阪杯は最強5歳世代に注目!イクイノックス、ドウデュース、アスクビクターモア、ジャスティンパレスを【完封】したジオグリフに復活の予感!
- 【ドバイターフ(G1)展望】武豊×ドウデュース「凱旋門賞制覇の夢」に向けて仕切り直し!ロードノースの4連覇を阻んで“夢”実現へ
- 皐月賞馬サートゥルナーリア×桜花賞馬ハープスターで「シーザリオ×ベガ」の超名牝系タッグ! 2024年新種牡馬筆頭は「第二のスワーヴリチャード」を許さない?
- 【大阪杯】ノーザンファームの「締め出し作戦」が大成功?フルゲート16頭に11頭の大攻勢…「幻の1番人気候補」が無念の門前払い
- 「競馬の神様」は実に意地悪だ!キャプテン渡辺のWIN5あるある…「これだけはやめてね」という相手が異常な確率で来る問題【徒然なる神のくず競馬トーク】
- ダービー「当確級」の逸材が皐月賞参戦!過去にキズナ、シャフリヤールらが条件クリア、浜中俊VS坂井瑠星の「第2ラウンド」も勃発?
- 【ドバイゴールデンシャヒーン(G1)展望】「1年越し」リベンジかかるリメイク!兵庫の雄イグナイター、巨漢ドンフランキーらも虎視眈々
関連記事
JRA「岩田康誠効果」抜群の藤懸貴志にブレイクの兆し!? マーメイドS(G3)10番人気シャムロックヒルで重賞初制覇、16番人気で激走オークス(G1)に続き大暴れ
ダノンスコーピオン「G1級」の豪脚が炸裂! 元JRA安藤勝己「伝説の新馬戦」になるかもしれないと高評価、ダノンザキッドの悪夢払拭に大きな期待
JRA 武豊「原因不明の大敗」から1年越しの逆襲へ!? 「いいものを持っています」ビリーヴの孫グランアプロウソが快勝デビュー!
JRA【宝塚記念(G1)展望】グランプリ連覇クロノジェネシスVS無敗馬レイパパレ!珍客ヨシオも“みたび”襲来……★上位人気馬予想オッズ付き★
JRA 武豊「難しいレースになりました」悪夢の再現でファンも失望!? マイシンフォニー素質証明の上がり最速「33.6秒」も届かない騎乗に非難の声