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有馬記念後のホープフルS「1年で復活」に大ブーイング!? ファンの声が届いたわけではなかった昨年の特殊事情と、JRAが避けたい「約62億円」の損失

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有馬記念後のホープフルS「1年で復活」に大ブーイング!? ファンの声が届いたわけではなかった昨年の特殊事情と、JRAが避けたい「約62億円」の損失の画像1

 1日、JRA(日本中央競馬会)が2021年の秋季競馬番組を発表した。

 最も大きな変化は、かねてから検討されていた11月のジャパンC(G1)開催週の新レースの創設だ。外国馬参戦を促すため3勝クラスのウェルカムS(芝2000m)を始め、帯同馬が出走しやすい条件クラスの国際競走を4レース施行する。

 また、昨年ダノンザキッドが勝利した東京スポーツ杯2歳SがG2に昇格。過去10年の勝ち馬だけを見てもコントレイル(三冠)、ワグネリアン(日本ダービー)、イスラボニータ(皐月賞)、ディープブリランテ(日本ダービー)と4頭のクラシックホースが名を連ねる出世レースだけに、これも妥当な対応といえるのではないだろうか。

 その一方、またも一部のファンの物議を醸したのが、ホープフルS(G1)の12月28日開催だ。

 2017年のG1昇格以降、冬のグランプリ有馬記念(G1)に代わって、中央競馬開催の“大トリ”を飾るようになったホープフルS。だが、昇格当初から開催時期を疑問視する批判的な声が何かと目立った。

 そんな中で、昨年のホープフルSは有馬記念の前日に開催。古くから有馬記念を「年間最後の競馬」と親しんできた多くの競馬ファンにとっても胸をなでおろすこととなったが、今年は再び有馬記念後の12月28日に開催されることが正式に決定した。

 この発表を受け、ネット上の競馬ファンからSNSや掲示板などで「何故、元に戻した?」「有馬記念の後にやるのヤメテ」「意味がわからん」と早くも反対意見が続々……。

 やはり一部のファンにとっては、ホープフルSを長年競馬の大トリとして親しまれてきた有馬記念の後に開催することは受け入れ難いようだ。しかし、何故再びホープフルSが中央競馬の最後を飾ることになったのだろうか。

「JRAを始めとした競馬界としては、年末の有馬記念開催から、年明けの1月5日前後に開催される金杯までの間隔をなるべく空けたくないという思惑があるそうです。

昨年は有馬記念が27日開催で、翌年1月5日開催の金杯まで1週間程度しかないということもあって、26日の土曜日開催に前倒しされたホープフルSですが、今年は有馬記念が12月26日と早まるため従来の28日開催が復活した経緯があります」(競馬記者)

 つまり、昨年のホープフルSの有馬記念前日開催は、ファンの声が届いたわけではなかったということになる。また、28日開催は「今後も続く」可能性が濃厚なようだ。

「実は、昨年のホープフルSの売上は80億3759万8800円で、前年比マイナス43.7%と大幅なダウンとなりました。JRAが2020年に開催した平地G1の中では、唯一100億円に届かなかった最低の売上です。昨年のような事情がなければ12月28日の固定開催は当分続くと思われますね」(別の記者)

 つまりホープフルSの有馬記念前日開催は、多くの競馬ファンにとってはよかったかもしれないが、前年から約62億円の売上ダウンとなったJRA的には損失ということになる。

 売上か、ファンの声か……年末の2歳王者決定戦は、今後もレース以外の部分で注目を集めることになりそうだ。

(文=銀シャリ松岡)

<著者プロフィール>
 天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。

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