
JRA武豊ドウデュースに期待したい「トライアル不要論」への反証!ライバルは続々皐月賞(G1)直行を表明、遅れて来た大物もダービー以外興味なし?
2月に入り、きさらぎ賞(G3)や共同通信杯(G3)など、3歳クラシック戦線を占う重要なステップレースが行われる中央競馬。それぞれの結果によっては、一冠目となる皐月賞(G1)の勢力図も変わってくるだろう。
その一方で、皐月賞トライアルの弥生賞(G2)、若葉S(L)、スプリングS(G2)組が、なかなか本番を勝てないのが近年の傾向だ。
過去10年の勝ち馬の顔触れを振り返ってみても、共同通信杯組5勝、ホープフルS(G1)組2勝、毎日杯(G3)組1勝に対し、スプリングS組が2勝を挙げたのみ。同じ中山2000mが舞台のG2である弥生賞に至っては未勝利という厳しい現状となっている。
では、なぜここまで大きな差がついてしまったのかという疑問が浮かぶ訳だが、それは偏に皐月賞そのものが軽視されていることに原因があるのかもしれない。
競走馬にとって最高の栄誉がダービー馬の称号であることに疑いはないものの、同じクラシックでも皐月賞や菊花賞(G1)については、少なからず温度差を感じずにはいられない。大物と評される馬にとっては、日本ダービー(G1)を狙うついでに皐月賞も出しておくかといった程度にすら映る。
かつてはレースを使いながら仕上げていく臨戦過程が王道だったが、近年の調教技術の進化は著しい。休み明けから直行しても十分に仕上がっているケースも増えてきた。

このような背景もあってか、現3歳世代で隠れた最強候補として名前の挙がるイクイノックス陣営は、東京スポーツ杯2歳S(G2)からロングシュートで皐月賞直行を表明。ホープフルSを制したキラーアビリティ、京成杯(G3)を制したオニャンコポンもトライアルを使わずに向かうようだ。
「ここまで来るともうトライアルの存在意義が怪しくなりつつありますね。以前は皐月賞にいい状態で臨むために、トライアルに出走していましたが、近年の扱いを見ていると、皐月賞そのものがほぼダービートライアルといえそうです。
元々5着以内に優先出走権が与えられるレースではありますが、小回りで紛れも出やすい中山コースを嫌う風潮は、天皇賞・秋(G1)やジャパンC(G1)と有馬記念(G1)の関係にも似ているような気がします」(競馬記者)
また、先日のセントポーリア賞(1勝クラス)で評判馬ウィズグレイスに圧勝し、一躍クラシック候補に仲間入りしたドゥラドーレスも、皐月賞には向かわないことが濃厚。同馬を管理する宮田敬介調教師は「皐月賞というよりはダービー向き」ということで、他のレースをステップにダービーを目指すようである。
本来なら実績馬と新勢力との対決が見どころとなる各トライアルながら、直行や回避によって直接対決が見られないまま、本番を迎えることになる。
残る大物候補としては、武豊騎手に待望の朝日杯FS(G1)勝利をプレゼントしたドウデュースもいるが、次走はまだ不鮮明。これはあくまで願望に過ぎないが、トライアルに出走した上で直行組を撃破し、昨今のトライアル不要論に一石を投じてくれないだろうか。
(文=黒井零)
<著者プロフィール>
1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。
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