
JRA C.ルメール「謎の乗り替わり」はカフェファラオを捨てたのか? フェブラリーS(G1)にチラつく「14馬身差」大物候補の存在
20日、東京競馬場で開催されるフェブラリーS(G1)は、数あるJRA・G1の中で最初に行われるダートのマイル王決定戦だ。
昨年は、C.ルメール騎手とコンビを組んだカフェファラオ(牡5、美浦・堀宣行厩舎)が、1番人気に応える見事な勝利。ペースを読み切った鞍上の巧みな手綱捌きも、本馬の初G1タイトル獲得に大きく貢献した。
そして、今年もまたこのレースを目標に調整されているカフェファラオだが、陣営から発表されたのは意外な結果だった。

フェブラリーSでコンビを組む相手に、これまで主戦を任されてきたルメール騎手ではなく、福永祐一騎手を起用するというのだ。
近走のカフェファラオは芝の函館記念(G3)を使われて惨敗、4番人気に推されたチャンピオンズC(G1)で11着だったとはいえ、ベスト条件が東京のダート1600。敗因もある程度の推測がつくだけに、今回の乗り替わりは「謎」にも映った。
勿論、乗り替わる福永騎手もトップジョッキーの一人であり、人選的に大きな割引とはならないかもしれないが、カフェファラオには初騎乗。5年連続リーディングの第一人者を降ろしてまで依頼する相手なのかとなると疑問が残る。
そこで思い浮かぶのが、ルメール騎手の恩師である藤沢和雄調教師の存在だ。2017年の日本ダービー(G1)をレイデオロで制し、ダービージョッキーとダービートレーナーの栄冠を手にした両者は、蜜月関係を築いてきた。栗東所属のルメール騎手が、関東で騎乗する機会が多いのも、藤沢厩舎の馬を優先している影響が大きいだろう。
その藤沢厩舎にダートの新星として期待されていたのがクロパラントゥである。
同馬は中央デビュー後に地方へ移籍して素質を開花。3連勝した中身も2着馬に計14馬身という圧勝で中央へと復帰した。出戻ってからも連勝は続き、昨年11月のシャングリラS(3勝クラス)の勝利で地方時代から6連勝中と日の出の勢い。
2月に定年を迎える藤沢師としても、これまでダートG1優勝に縁がなかっただけに、今年のフェブラリーSはラストチャンス。何とか出走できればという想いもあったのだろう。
しかし、前哨戦の根岸S(G3)に登録したものの、あえなく除外。最後の晴れ舞台への出走は叶わなくなってしまった。
「実際のところはどうか分かりませんが、ただでさえ外国人信者といわれる堀先生が、ルメール騎手を降板させた可能性は低いでしょう。カフェファラオが、アーモンドアイやグランアレグリア級なら話も変わりますけど、そこまでの大物ではありません。
まだ先の長い調教師ならともかく、藤沢先生は今月で定年ですから……。師の現役時代で最後のG1に出られそうな期待馬がいたなら、そちらを優先したとしても不思議ではないでしょうね」(競馬記者)

そのルメール騎手だが、フェブラリーSで新たにコンビを組む相手はテオレーマ。こちらは昨年11月のJBCレディスクラシック(G1)、今年1月のTCK女王盃(G3)を連勝と上昇一途である。
最終的にカフェファラオとのコンビは解消となったが、ルメール騎手が乗るからには、注意が必要な1頭となりそうだ。
(文=黒井零)
<著者プロフィール>
1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。
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