JRA事実上の「戦力外通告」は陣営から突きつけられた非情な決断!? 元JRA安藤勝己氏も絶賛した逸材が急上昇ホープに乗り替わり
6日、中山競馬場で弥生賞ディープインパクト記念(G2)が行われる。伝統の皐月賞トライアルということもあり、実力十分の好メンバーが揃った。
クラシックを見据えた戦いであるため、ドウデュースの武豊騎手やマテンロウレオの横山典弘騎手はもちろん、ホープフルS(G1)で3着に好走したラーグルフの丸田恭介騎手も継続となっている一方で、前走から鞍上が乗り替わった馬もいたようだ。
デビューからコンビを組んできた柴田大知騎手から菅原明良騎手に乗り替わるアケルナルスター(牡3歳、美浦・清水英克厩舎)もその中の1頭だ。
アケルナルスターは、デビュー2戦目の未勝利戦で大外一気の追い込み勝ちを決めて初勝利をマークした。その後、格上挑戦したホープフルSでは、7着ながら直線で追い込んで首位と0秒5差と善戦し、そのレースぶりに元JRA騎手の安藤勝己氏は「目を引いた」「捌けとれば掲示板あった」と、自身のTwitterで触れたほどの素質馬である。
しかし、前走の共同通信杯(G3)では後方から直線に懸ける競馬に徹するも、一瞬脚を使っただけで、すぐに止まってしまい9着と惨敗。デビュー以来、3戦連続でメンバー最速の上がり3ハロンを計測した末脚は不発に終わった。
そして、迎えた5戦目の弥生賞のタイミングで陣営が下した決断が、突然のコンビ解消だ。柴田大騎手は弥生賞当日に中山競馬場で騎乗予定にもかかわらず、アケルナルスターに騎乗しない事情を推察すると、事実上の降板とも受け取れるかもしれない。
■柴田大知騎手の降板理由として考えられるものとは
「永見貴昭オーナーはこれまで94回の出走回数を誇りますが、約25%に当たる22回が柴田大騎手を起用しています。所有馬の稼ぎ頭のマイネルイヴィンスでも主戦としていることからも、少々唐突な印象が残ります。
これに対し、菅原明騎手を重用する傾向にあるのが、アケルナルスターを生産した岡田スタッドです。こちらはマイネル軍団の故岡田繁幸氏の弟・牧雄氏が代表を務めており、繁幸氏同様に柴田大騎手を起用することが多いと思われがちですが、実はイメージほど多いわけではありません。
所有馬の大多数が岡田スタッドの永見オーナーですから、今回の乗り替わりはそういった事情もありそうです」(競馬誌ライター)
また、今回の乗り替わりには、アケルナルスターを管理する清水英師も関係している可能性も考えられる。先月のフェブラリーS(G1)で管理馬のケイティブレイブの鞍上に菅原明騎手を起用していたことも、若手の有望株への期待の表れともいえるだろう。
さらに清水英師は『スポーツ報知』のインタビューを通じて、アケルナルスターは日本ダービー(G1)出走を意識していることを明かしている。ダービー出走には賞金加算が絶対条件であるため、今回の弥生賞は正念場となる。
それだけに、弥生賞と同舞台の京成杯(G3)を勝つなど、勢いのある菅原明騎手に白羽の矢が立ったのだろうか。
果たして新たなパートナーを迎えるアケルナルスターは、ドウデュースら強力メンバー相手に賞金加算ができるだろうか。
(文=坂井豊吉)
<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……
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