JRA 武豊ドウデュースあえての弥生賞(G2)で「直行組」に挑戦状、友道師が明かした「当たり前過ぎる」参戦理由に納得
今週末の東京競馬場では、皐月賞(G1)へ向けた重要な一戦の共同通信杯(G3)が行われる。春を目前に続々と3歳重賞が組まれており、来月には皐月賞トライアルの弥生賞(G2)、スプリングS(G2)、若葉S(L)などが予定されている。
これからクラシック出走に向けた熱い戦いが幕を開けようとしているが、その一方で近年のトライアルは何か物足りなさを感じるのは、気のせいだろうか。
もしかしたら、それはクラシック有力馬のトライアル出走が減ったからかもしれない。
一昔前は賞金に余裕のある馬も、ない馬もトライアルを使うのが一般的だった。トライアルから皐月賞、そして日本ダービー(G1)へと向かうローテーションは「王道」と呼ばれ、過去の名馬たちの多くが、そうやって使われてきた。
しかし、近年ではトレセン以外の調教施設が目覚ましい進化を遂げたことにより、レースを使いながら仕上げていく臨戦過程が消えつつある。特にノーザンファーム系のクラブ馬は、外厩などの優れた調教施設で馬を走れる状態に仕上げて、トレセンで最終調整を行い、レースに出すケースが増えた。現在は目標のレースだけを狙い撃つローテーションが主流だ。
今年のクラシック有力馬では、東京スポーツ杯2歳S(G2)を制したイクイノックスとホープフルS(G1)優勝のキラーアビリティが当てはまるだろう。2頭の陣営はともに皐月賞直行を宣言しており、レースが目前に迫るまで外厩で調整を進めていくことが予定されている。
だが、昨年の最優秀2歳馬に輝いたドウデュース(牡2歳、栗東・友道康夫厩舎)を管理する友道師が、来月6日の弥生賞出走表明したことは、直行組との直接対決前に楽しみな知らせといえる。
友道師は『スポーツ報知』の取材で「中山を経験していないし、使ってもへこたれるような馬ではないですからね」と、弥生賞への参戦理由を明らかにした。
「面白くなってきましたね。イクイノックスらが皐月賞直行するのに対し、ドウデュースは前哨戦を挟む真逆のローテーションとなりました。
前哨戦が軽視される主な理由に、レースを使うことによる故障、想像以上に疲労を残してしまうリスクを恐れていることが挙げられます。それを踏まえると、友道師の『使ってもへこたれるような馬ではないですからね』というコメントは、前哨戦を避けるライバル馬に対する挑戦状のようにも聞こえます。
私個人の意見ですが、今年のクラシックは朝日杯FS(G1)の内容からドウデュースに期待しています。キラーアビリティを萩S(L)で倒したダノンスコーピオンを悠々と差し切ったことを考えると、ドウデュースの能力はかなり高いですよ。
ぜひ弥生賞を経由して直行組を撃破し、昨今のトライアル軽視の風潮に待ったをかけてほしいと思います」(競馬誌ライター)
今年のクラシックは個々の戦いはもちろん、「直行」VS「前哨戦」ローテの代理戦争となるかもしれない。果たして、どちらに軍配が上がるか注目だ。
(文=坂井豊吉)
<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……
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