JRA共同通信杯(G3)武豊「いい勝ち方でした」一角崩しの「穴」は前走レコード勝ち、ダービー馬といわれた父の血が花開くか

13日、東京競馬場の芝1800mを舞台に行われる共同通信杯(G3)。昨年の勝ち馬エフフォーリアは、年間G1・3勝を挙げて年度代表馬のタイトルを獲得。また過去にもナリタブライアンやエルコンドルパサーなど、数多の活躍馬を送り出している出世レースだ。
過去にアドマイヤムーン、ブレイクランアウトでこのレースを2勝している武豊騎手だが、今年のパートナーはデビューから手綱を取るジュンブロッサム(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)で一発を狙う。
同馬は「2020年のセレクトセール1歳部門」にて、8580万円(税込)で取引された期待馬。前走の11月東京の未勝利戦(芝2000m)では、大逃げしたユイノゴトクをゴール前で捉えると、後ろから迫ってきたローシャムパークを1馬身抑えて快勝した。
勝ちタイムの1分59秒2は、19年にサトノフラッグが記録した1分59秒5を0秒3更新する2歳コースレコード。武豊騎手はレース後、「スムーズなレースで反応もよかった。なかなかいい勝ち方でした」と高評価している。
その後、一度はホープフルS(G1)出走も視野に入れたようだが、無理せずに放牧に出された。栗東に帰厩後の様子について、陣営は『スポーツニッポン』の取材に「休養を挟んだことで中身がしっかりしてパワーアップを感じている」と回答しており、かなりの手応えを感じているようだ。
一見すると人気馬になりそうな要素を備えているが、『netkeiba.com』の単勝予想オッズでは8番人気前後の伏兵評価に留まっている。
この原因の1つに、前走のレコードタイムが、翌週のウィズグレイスに大きく更新されたことが考えられている。そのウィズグレイスは先月30日のセントポーリア賞(1勝クラス)で1着から3馬身離れた2着に敗北しており、レコードタイムの価値に疑問が持たれている。
それでも、複穴としての魅力は十分に兼ね備えているだろう。
ジュンブロッサムの父は、12年のきさらぎ賞(G3)を優勝し、同年の日本ダービー(G1)に1番人気で出走したワールドエース。最有力候補といわれたものの、4着に敗れた。その後、残念ながら屈腱炎を発症して長期の離脱となったが、無事ならG1のタイトルに手が届いていたかもしれない未完の大器だ。
16年に種牡馬入り後は、まだ目立った活躍馬は送り出せていないが、産駒は1800mで最多の11勝を挙げている。同距離で行われる共同通信杯で、産駒のジュンブロッサムはそれなりに期待できそうだ。
また祖母は、2000年の南部杯(G1)など砂の重賞5勝、同年のフェブラリーS(G1)では武豊騎手とのコンビで2着に入っている女傑ゴールドティアラ。近親には14年の富士S(G3)を制覇、翌年の天皇賞・秋(G1)では2着に好走したステファノスなどがいる。
なおステファノスとジュンブロッサムは、共に父ディープインパクト系×母父クロフネということで、血統構成はかなり似通っている。
まだ活躍馬の少ないワールドエース産駒ということで、やや特徴の掴みづらいジュンブロッサムであるが、ステファノスのようなタイプだと思えば何となくイメージが持ちやすいかもしれない。
「ステファノスは31戦4勝と勝ち星がやや少ない馬ですが、3億円以上の賞金を稼いでいるように、手堅く着順を拾うイメージが強い馬です。G1では2着2回、3着2回の実績があります。
そして、特に堅実に走ったのが、東京の1600~2000m。唯一の重賞勝ちも東京のマイル重賞である富士Sでした。
あまり人気はないようですが、近親のジュンブロッサムも、複穴候補としては面白い存在になるかもしれませんね」(競馬誌ライター)
ちなみに武豊騎手は、父のワールドエースに一度だけ騎乗した経験があり、14年の白富士S(当時OP)を1番人気で5着に敗れている。息子のジュンブロッサムで8年越しのリベンジを思わせるような好走に期待したい。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。
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