JRA【共同通信杯(G3)展望】ダノンスコーピオンVSジオグリフも朝日杯FS組は近年大苦戦…エフフォーリアに続く大物出現の予感?
13日(日)には、東京競馬場で共同通信杯(G3)が行われる。昨年はエフフォーリアが無傷の3連勝を飾り、その後G1・3勝の躍進につなげた。今年もこのレースから新たなスターは誕生するか。
何と言っても、注目はダノンスコーピオンとジオグリフの2頭だろう。
昨年6月の2歳新馬、10月の萩S(L)を連勝したのはダノンスコーピオン(牡3歳、栗東・安田隆行厩舎)。どちらもゴール前で測ったかのように差し切ってのクビ差勝利だった。
3連勝を懸けた前走の朝日杯FS(G1)は川田将雅騎手が香港遠征のため、松山弘平騎手に乗り替わり、4番人気に支持された。レースではちょうど中団で折り合い、いい手応えで直線を向いたが、進路取りにやや手間取っている隙に外からドウデュースに抜け出された。
ダノンスコーピオンは、ワンテンポ遅れて急坂を駆け上がったが、前にいたセリフォスも捉えることはできず3着。それでも初めての多頭数競馬で上出来といえる内容だった。
これまでの3戦は全て阪神競馬場の1600~1800mを使われているダノンスコーピオン。初の左回りと長距離輸送などを克服する必要はあるが、安田隆調教師が「これから大きなレースをにぎわせてくれる馬」と語っているほど陣営の期待は大きい。
鞍上が再び川田騎手に戻る今回はしっかり勝ちきって賞金を加算したいところだろう。
朝日杯FSでダノンスコーピオンから0秒3差の5着だったのがジオグリフ(牡3歳、美浦・木村哲也厩舎)だ。
昨年6月に今回と同じ東京芝1800mでデビュー。3番人気だったが、好位追走から直線鋭く伸びて勝ち上がった。
その後は北海道に移動し、9月の札幌2歳S(G3)で復帰。今度は1番人気に支持されると、スタートで出遅れるも全く問題にせず。最後方追走から向正面で位置を上げていき、4コーナーでは3番手まで押し上げ、最後はアスクワイルドモアを4馬身突き放して完勝した。
その後は再び間隔を空けて年末の朝日杯FSへ。1番人気のセリフォスと2強を形成したが、初のマイル戦でペースについていけず、道中は後方を追走。直線は大外を通って伸びたが5着に追い上げるのがやっとだった。
騎乗したC.ルメール騎手も「後ろすぎました。距離を延ばしたら大丈夫です」と話していたように、2戦2勝の1800mで仕切り直しの一戦となる。
ただし、ダノンスコーピオンとジオグリフの2頭が人気を二分しそうだが、前走・朝日杯FS組は2000年以降、「2-5-1-12」と案外勝てていない。特に阪神開催になってからは「0-2-0-2」で、1番人気に支持されたアドマイヤマーズとステラヴェローチェはいずれも不覚を取っている。09年ブレイクランアウト以来となる朝日杯FS組の共同通信杯制覇はなるか。
前走ホープフルS(G1)7着から距離短縮で臨むアケルナルスター(牡3歳、美浦・清水英克厩舎)が“2強”の一角崩しを狙う。
デビューから3戦全てで上がり最速を記録する末脚の持ち主で、6日の東京芝2400mで行われたゆりかもめ賞(1勝クラス)にも登録があったが、1週延ばして強豪揃いの一戦をあえて選択した。
前走は勝ったキラーアビリティから0秒5差の7着も、後方2番手から見せた末脚は際立っていた。デビュー戦から鞍上を務める柴田大知騎手は『競馬ラボ』の自身のコラムに「相手が強くとも東京コースなら通用するという見立てで挑みます」と、共同通信杯に臨む意気込みを記している。
決め手は2強にもひけを取らないだろう。展開次第で、直線突き抜けるシーンがあっても驚けない。
昨年6月の新馬戦でジオグリフの2着だったアサヒ(牡3歳、美浦・金成貴史厩舎)。3戦目で勝ち上がると、続く東京スポーツ杯2歳S(G2)で、イクイノックスの2着に好走し、賞金加算に成功した。東京1800mをすでに3度使われているのも強み。今回も上位争いに加わってくるだろう。
ビーアストニッシド(牡3歳、栗東・飯田雄三厩舎)は、キャリア4戦すべてで人気を上回る着順に好走している。脚質は自在で、昨秋の京都2歳S(G3)は逃げて2着、前走・シンザン記念(G3)は中団に控えて3着レッドベルアームとハナ差の4着に好走した。人気がなくても注意は必要だろう。
この他には、19年の当歳セレクトセールで1億7280万円(税込)という高値で落札されたダノンベルーガ(牡3歳、美浦・堀宣行厩舎)。祖母がエアグルーヴという良血馬のレッドモンレーヴ(牡3歳、美浦・藤沢和雄厩舎)などが出走を予定している。
春の牡馬クラシックへ向けて重要な一戦は、順当にダノンスコーピオンとジオグリフの争いになるのか。それとも伏兵の台頭はあるのか。発走は15時45分を予定している。
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