
JRA桜花賞戦線に大激震!? エルフェンS(L)完勝アルーリングウェイの「G1級」を証明するデアリングタクト、ウオッカ、そして桜花賞馬の「女王の法則」とは

5日、中京競馬場で行われたエルフェンS(L)は、4番人気のアルーリングウェイ(牝3歳、栗東・藤岡健一厩舎)が勝利。最後は昨年の桜花賞馬ソダシの妹ママコチャらを振り切って、本番の桜花賞(G1)へ大きく前進した。
「負けはしましたが、いい内容でした」と、鞍上の藤岡佑介騎手が振り返った前走の万両賞(1勝クラス)はクビ差の2着。勝ったマテンロウオリオンが、そのままシンザン記念(G3)で連勝を飾った実力馬ということから、ここは順当勝ちと言えるだろう。
それでも4番人気に落ち着いたのは、祖母のアルーリングアクト、母アルーリングライフが共に小倉2歳S(G3)の勝ち馬というスプリント一族だからか。
藤岡佑騎手が「距離をもってくれたのは収穫」と手応えを語った通り、1200mのデビュー戦を勝ち、1400mの万両賞で2着、そして今回1600m初挑戦ということで距離の不安を感じたファンが少なくなかったのだろう。
しかし、レースはそんな不安を一蹴する快勝劇だった。
10頭立てで行われたレース。今回も上手に切ったスタートは、本番でも大きな武器になるだろう。外からハナを主張したタナザウィングを行かせる形の番手追走は、キャリア3戦目にして早くも安定感さえ感じさせる。
前半800m通過47.2秒は、昨年の49.2秒よりも2秒も速い締まったペースだった。楽に追走したアルーリングウェイは、最後の直線入り口で逃げ馬を交わす堂々の横綱相撲。内からママコチャが並びかけ、1番人気のルージュラテールが外から追い込んできたところで、藤岡佑騎手が満を持すようにムチを入れた。
そこからの伸びは、まさに圧巻だった。スッと後続を突き放して勝利を確実なものにすると、最後は悠々とゴール。着差こそ1馬身1/4だったが、数字以上の強さを感じさせた。
「強いレースでしたね。前走の1勝クラスで敗れたこともあって、ここは桜花賞へ向けて勝利が必須。陣営もしっかり仕上げましたし、当日の好馬体も光りました。
レース後には、藤岡佑騎手も『レースセンスがあり、スタートが速い、いいところで折り合いもつく』と絶賛していましたよ。今年の3歳牝馬は、まだ抜けた馬がいない印象ですし、この馬が一気に勢力図を塗り替えても驚けません。それくらい今日のレースぶりはよかったと思います」(競馬記者)
藤岡佑騎手や記者が絶賛するのも当然か。勝ち時計の1:34.0は、昨年よりも2秒も速い好タイム。それだけでなく、エルフィンSがマイル戦で行われるようになった1987年以降、歴代3番目というハイレベルだ。
「この勝ち時計には非常に価値があります。何故なら、これより速い歴代1位が1:33.6のデアリングタクト。2位の1:33.7がウオッカという最強クラスの名牝だからです。
ちなみに4位になった1:34.4は、後に桜花賞を勝ったマルセリーナ。例年の京都ではなく中京開催なので、あくまで“参考記録”とはいえ、アルーリングウェイが高いレベルにいることは間違いないでしょうね」(同)
「楽しみが広がりました」
レース後、そう思いを膨らませた藤岡佑騎手は毎年のように重賞を勝っているものの、G1制覇は2018年のNHKマイルCから遠ざかっている。久々に大きな“野望”を秘めて本番に挑めそうだ。
(文=大村克之)
<著者プロフィール>
稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。
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